そして生徒会室に着き、ドアをコンコンと鳴らした。


「早瀬です」と言ってからガラっとドアを開けた瞬間


「愛莉亜~~待ってたよ。俺の可愛いハニー❤」と言って笑顔で私に抱きついてくるバカ・・・もとい上野会長。


「会長・・・頼みますから、毎度毎度抱き付いてくるの止めてもらえませんかね??」


「え~っ、そのお願いは聞けないな。てか、甲斐って呼べっていつも言ってるだろ?愛莉亜」


「そんなの無理ですよ」


「ふ~ん、じゃあ甲斐って呼んでくれるまで俺様のあつ~い口付けをしちゃうよ??」とニヤリと笑う会長。


うっ・・・そんなの絶対にイヤだ!!!

そして、じりじりと私に近づいてくる会長・・・。


「わ・・・わかりましたから・・・。近寄って来ないで下さい!!」


「そう・・・じゃあ、呼んでよ!!」


「かぃ・・・」


「ん?声が小さくて聞こえませぇん!!」


うっ・・・わかったわよ。


「甲斐・・これでいいでしょ??」


「んOK~~!可愛い愛莉亜~❤」と言って、また抱き付いてきた。


きゃあ~~~!!結局言っても抱き付いてくるんじゃない!!!


「離して下さいよぉ~~」


「んじゃあ、離して甲斐って可愛く言ってくれたら離してあげる」


可愛くって・・・そんな事出来ないって!!


「早くしないと、キスしちゃうよ~!!」


「わっ・・・わかりましたよ・・・もう・・・」


「早く早く~!!」と急かすせかす甲斐


お前はお子ちゃまか!!!とツッコミたくなる私だった。


「離してよ甲斐~~」と思いっきり可愛く言ってみた。


これが・・・私の精一杯だった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る