金盞香(きんせんかさく)

凍てた大気のような白い呼気をまとう

おまえは

クチベニスイセンの影を

宿していた


ひびわれた朱色あけいろの唇をとがらせ嘘を吐く

そのたび

グリセリンの水滴が

環天頂アークの中へ落ちる


目眩めくるめく冬日とうじつの幻灯

白日をひるがえし二日月ふつかづきをすべる

偏桃体を調教しほくそ笑む

おまえの

白い呼気の中に

narkaoの香が潜んでいる

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