第25話

 一週間後、いつものメンバーがいつもの会議室に集合したのだが...


「え~...今日はアズミが逃げ...いやいや欠席なので、僕が司会進行を務めようと思う」


 ハインツが前に出て仕切り始めた。


「チッ!」


「そこっ! 舌打ちしない!」


 ナズミは知らん顔してる。


「さて、話し合いを始める...その前に! 全員のボディチェックを行う! 前回のように武器を隠し持っていたら話し合いにならないからな!」


「ブーブー!」「エッチ!」「変態!」「痴漢!」「ストーカー!」「バカ殿下!」


 女性陣からこれでもかと言う程のヤジが飛ぶ。


「やっかましいわぁ! 大人しく従え~! あと誰がバカだ! どさくさに紛れやがって! お前ら女同士でやれば文句無いだろ! 衝立を用意したからそこでやれ!」


 女性陣は渋々従った。すると出るわ出るわ...


「MP5、UZI、イングラムM10、PP-19-01 Vityaz、IMI デザート・イーグル、H&K USP、ワルサー P38、S&W M29、オマケに手榴弾まで...お前ら、戦争でもする気なのか!? それとこれだけの武器をどうやったら隠し持てるのか、今日という今日は小一時間くらい問い詰めたいんだが!?」 


 そんなハインツの叫びをシレッと無視して女性陣は席に戻った。


「ぐっ! ま、まぁいい。それじゃあ始めよう。まずは...ワインツ君? お願い出来るかな?」


「あ、はい...分かりました...」


 前回の一件でまだちょっとギクシャクしている二人であった。


「え~と、留学していた海洋諸国連合でのチリーヌ王女の様子なんですが、やはり噂通り婿探しに勤しんでいたようなんです」


「やっぱりそうだったのか。それで? お目当ての男はどんなヤツだったんだ?」


「それがですね...」


 ワインツは男性陣をチラッと見た後、言葉を濁した。


「どうした!? いいから続けてくれ」


 ハインツが促す。


「分かりました...まず最初に第2王子をターゲットにしたようです」


「最初というと!?」


「第2王子に相手にされず、次に狙ったのが宰相子息で...」


「おい待て! ひょっとして...」


 ハインツは皆まで言わなくても気付いたようだ。


「えぇ、ご想像の通りです...また相手にされなかった王女は次に騎士団長子息に...またまた相手にされず次は魔道騎士団長子息にと、次々ターゲットを変えては全て撃沈したようです...その時点でさすがに業を煮やした国王に母国へ戻されたと...」


 チリーヌ王女の闇を見た気がした全員が絶句した。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る