ChromebookとCrostiniを執筆で使う
前述の段階で脅しておいてなんですが、本稿では補足として構築手順を掲載します。ですがまずは先達の記事を参照してください。衣谷も以下の記事をもとに環境構築を行い、執筆環境を手に入れました。
『商業誌を20冊以上書いたボクがたどり着いたChromebookのテキストエディタ』
by Goodegg.jp
https://goodegg.jp/archives/11469
『VSCodeでさっくり作る快適な執筆環境。オススメ拡張機能3つ。』
by リョウ
https://note.com/ryryo/n/n0ca42c3901d0
基本的には上記サイトに書かれている内容を実施すれば環境を手に入れることができます。ただし、そのままでは理解難しい箇所もあると思いますので、そのあたりをここで補足していきたいと思います。
兎にも角にも、執筆環境を構築するにもまずはCrostiniを有効化しなければなりません。手順は簡単で、設定画面から『[Linux(ベータ版)』という項目を選択し、有効化するだけです。もしかしたら(ベータ版)の文言は外れているかもしれません。
Linuxが動作するようになったら、いよいよ環境構築です。今回の執筆環境は以下のような構成です。
・クラウドストレージ:Google Drive または Git + BitBucket
・執筆ソフト:code-server
クラウドストレージにはGoogle Driveを利用するのがもっとも楽でしょう。CrostiniではLinuxからGoogle Driveへアクセスする設定を行うことができます。Chrome OSのファイルアプリから『Googleドライブ』を右クリックすると『Linuxと共有』という選択肢が現れるのでクリックするだけです。これで/mnt/chromeos/GoogleDrive/MyDriveというファイルパスでアクセスできるようになります。
GitとBitBucketという選択肢は、なるべくグーグル社のエコシステムを利用したくない場合に選択できます。GitとGitHubの組み合わせでもよいでしょう。BitBucketとGitHubはどちらもクラウド上でGitのリポジトリを作成できるサービスです。それらサービスの利用方法はたくさんの記事や公式のドキュメントがあるのでそちらを参照してください。
環境構築そのものは『インストールと初期設定』の箇所のみを実施すれば問題ないです。手順を進めていく中で最初の注意ポイントはviによるファイル操作でしょう。viというのはテキストエディターの一種なのですが、編集に対して特殊な操作を行わなければなりません。viで特定のファイルを開いた際、適当に文字を打ったところで何も入力できません。編集したい箇所に十字キーでカーソルを移動させて、『i』を入力することではじめて編集モードになります。また、『esc』キーを押すことで編集モードから外れて、別の操作ができるようになります。『/』を押すと検索モードです。もうちんぷんかんぷんですね。
viはWindowsやMacのようにグラフィカルな環境ができる前から利用できるように作られているテキストエディターなので、マウスを使わなくても操作できるようにできているのですが、それはそれで覚えることが多いのです。
viの操作がどうしても分からないという場合、nanoというソフトを導入しましょう。Linuxへインストールをお願いする際のコマンドは
「sudo apt install nano -y」
です。viの代わりにnanoと入力すればこちらが動作します。nanoはとくにコマンドを実行することなく編集モードとなりますし、画面下部には主だったコマンドが表示されているので初心者向きです。たとえば「^O」(^はCtrlキーのこと)はキーボードの『Ctrl + o』で保存の意味です。
次のポイントは拡張機能です。参考にした記事にもいくつか拡張機能について説明がありますが、執筆環境として活用する場合、最低限導入するものは以下の四つだと考えています。
・Japanese Language Pack for Visual Studio Code
・CharacterCount
・Format Novel
・テキスト校正くん
日本語化機能として『Japanese Language〜』なくてはならないでしょう。これはcode-serverそのものを日本語化するためのものです。何もしないと英語だらけなので、要らぬところに頭を使いたくなければ導入しましょう。
補助的な目的として『CharacterCount』『Format Novel』は有用です。それぞれテキストファイル内の文字数をリアルタイムにカウントする機能と、小説によくある形式にテキストファイルを整形する機能です。とくに設定項目がない割には執筆作業の効率を上げてくれるに違いありません。
しょうもない誤字や誤りは『テキスト校正くん』で機械的に取り除いて、もっと込み入ったことに頭を使いましょう。Goodegg.jpさんの記事で同等の機能をtextlintという拡張機能で行っているのですが、こちらの拡張機能のほうが遥かに楽です。自分なりの校正ルールがあるからピッタリ合わせたいという場合はtextlintのほうが使いやすいですが、基本的なルールだけチェックするのであればテキスト校正くんで十分です。チェックをするかしないかも設定で指定できるので便利です。
参考先の手順を実施すれば、Chromebookでの執筆環境はできあがりです。あとは新しい作品を執筆するだけですね。
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