岡山城(日本100名城No.70)

 昼食を取ったあとは次の目的地の岡山城へ向かう。

 岡山城は市街地にあるという。

 さっき訪問した、備中松山城と違い山城でなくて助かるなあ。

 

 岡山駅からはバスに乗って移動する。

 約9分で県庁前バス停に到着。そこで下車して後は徒歩。

 少し歩くと岡山城のお堀と石垣が見えてきた。

 さらに進んで、天守閣の方へ向かうと黒壁の天守閣が見えてきた。


 岡山城。

 戦国時代1597年、宇喜多秀家によって岡山城が築かれる。その後に城主となった小早川秀秋、池田氏により城と城下町は、さらに拡張された。

 天守は太平洋戦争時1945年の岡山大空襲で焼失したが、1966年に復元された。

 岡山城の天守の外壁は黒塗りの下見板で覆われていて“烏城”の別名がある。また宇喜多秀家時代の金箔瓦が出土しており“金烏城”とも呼ばれる。

 日本三大名園の後楽園が隣接している。


 僕らは、入城料400円を支払って天守閣に入る。

 中は、岡山城の歴史などの展示が多数あって、ゆっくりと見学をした。

 2021~2022年に“令和の大改修”があったばかりなので、中はとても綺麗だった。


 岡山城の見学の後、今日のお城巡りは終了。

 ホテルに戻ることになった。

 岡山城からは再びバスに乗って岡山駅まで。

 そこから歩いてイオンモールに寄り、夜の宴会用のジュースとかお菓子を買い込んで、さらに歩いてホテルに移動。


 ホテルでは備中松山城で山登りをして疲れたので、ベッドで寝転んで休憩する。

 妹もなれない山登りで疲れたようで、もう1つのベッドで寝転んでぐったりしている。


 夕方。ホテルは夕食つきなので、食堂で食べて再び部屋に戻る。

 ホテルには男性のみの大浴場があった。

 女子たちはそれぞれの部屋についているユニットバスを使う。

 妹が風呂に入るというので、ちょうどいいと思い僕は大浴場に行くことにした。

 大浴場は、オジサンたちでまあまあ混んでいた。

 こういう大きな湯船で入るのは、お城巡りの時しかないが悪くないな。


 大浴場で、のんびり入りすぎで少しのぼせた。

 僕が部屋に戻ると女子たちが全員集まって来ていて、さっき買ってきたジュースとお菓子で宴会が始まっていた。

 みんな、元気だなあ。

 さっきまで、ぐったりしていた妹も復活したようで、楽しそうに騒いでいる。

 僕は、ベッドに横になりたかったが、女子たちが椅子代わりにしているのでそれもできず、仕方なくベッドの端に座って宴会に混ざる。


「ねえ!」

 早速、上杉先輩が絡んできた。

「新学年の新入生部員募集の作戦、考えてる?」


「いえ…、これから考えます」

 考えるつもりは、まったくない。


「部活紹介オリエンテーションに出るのと、掲示板に宣伝と、チラシ配りをやろうと思っています」

 毛利さんが答えた。


「普通だねえ」

 上杉先輩は腕組して言う。

「ちゃんと部員増やさないと、廃部になるからね!」


「わかってますよ…。まあ、何とかなると思っています」

 僕は答えた。


「のんきだなあ」


「というか、上杉先輩は去年、何かやったんですか?」


「図書室を張り込むぐらいしかしてないよ」


「それって、何もしてないのと変わらないのでは?」


「なにを言う。キミという新入部員を見つけたじゃん?」


「まあ、そうですね…」

 僕はふと思いついて、気になっていることを質問をした。

「それより、上杉先輩と伊達先輩は引退なんですよね?」


「はあ? 3年生が引退するのは、受験のためでしょ? アタシは受験しないから引退はしないよ。恵梨香の場合は、受験勉強しなくても楽勝で大学受かるから関係ないし」


「えええーっ…」


「なんで、いやそうな顔をするのよ」


「してません」

 してたけど。


「まあ、3年になったら、アタシは放課後にバイトしようかなと思っているから、そんなに部室には行けなくなると思うけど」


「そうなんですね」

 それは良かった。


「私もあまり、部室にお邪魔するつもりはないわ。たまには行くけど。」

 伊達先輩が言う。


「そうですか」


「新入部員が入るまでは、キミと毛利ちゃんの2人だけだけど、ちゃんと新入部員見つけなよ」

 上杉先輩が釘を刺してくる。


「部室で2人きり…、いいなー」

 前田さんがうらやましそうに言う。


「何、言ってんの。別に2人きりでも何も起きないよ」


「別に何か起きてもいいんだよ」

 上杉先輩がニヤつきながら言う。


「起きませんって。美咲がうるさいし」

 僕は妹にちょっと嫌味を言う。


「別に。毛利さんだったら、いちゃついてもいいよ」

 妹は真顔で答えた。


「えっ?」

 意外な回答だ。

 雪乃とじゃあなかったらいいのか?

 毛利さんといちゃついてもいいなら、僕の部屋を盗み聞きするのはやめてほしいのだが…。

 そういえば、妹が盗聴器仕掛けてるかもしれないという疑惑もあったな。


 その後も他愛のない話題で盛り上がりつつ、宴会で夜が更けていった。


============

岡山城の情報

https://okayama-castle.jp/

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