精神的な慣らしも要るんだよ
『精神的な慣らしも要るんだよ』
潤滑液によって意図的に作られたぐちゅぐちゅという水音が部屋に響く。
「くっ……!ふぅ……っ!」
合間に、堪え切れず漏れる吐息が不規則に挟まり耳を擽る。
その何れもが何の妨げもなく耳に届いてしまうのは、見届役の二人ともが呼吸も忘れたかの様に眼前の光景に釘付けになっているからだった。
「前はっ、良いからっ!…早くっ、済ませろ…っ!」
二人と視線が合ってしまう事を警戒したのか、両腕で顔を覆うように組んだままの彼は息も絶え絶えに先を促す。
「そうは言うがな…初めてだと支度にも数日かかる」
「あぁ!?じゃあこの時間は何なんだ!?」
「精神的な慣らしも要るんだよ、本番は具合を見つつ日を改めて、だ」
「……くそっ!」
口では悪態を吐くが、懸念した程には生理的な嫌悪は無いようだ。労る様に両の掌に包み込んだ怒張は微かな動きにも鋭敏に脈動を返して来る。
「…ほら、ここの付け根の所、抵抗の無い辺りまでは指を差し込んで掴んで大丈夫、確り目に持ってしごいてやるとイイ」
「…ふわぁ、凄い…ビクビクしてる」
「お嬢、大丈夫か?無理するなよ」
「…え、えぇ、思ったよりグロテスクではないわ」
時折両側に控えた二人に扱い方を教えてみる。此方も思いの外悪くない反応で行為に執心してくれた。
「んっ…オイ、いつまで玩具にされてりゃ良いんだっ…」
彼はと言えば、刺激にも多少慣れたのか先程よりは幾分か整った呼吸で不満を漏らしている。
「おう、じゃあ一旦区切りをつけとくか…」
応えながら着衣を解く。幾らか草臥れた様子の彼を抱き起こし膝に座らせる。既に此方も隠せない程に盛り上がった物を彼の其れに添わせ、抱き寄せる腕の一方を腰から下に滑り込ませた。
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