オリジナルの誰

ワッショイ勝ち知らず(長谷川けろ)

第1話

「オリジナルの誰」


 えげつない愛

 狂わしく踊るアタシ

 夜の煌びやかに心踊る

 頭の中で激しくロック

 貴男の胸に刺さるアタシの腕に感じる鼓動

 貴男の視線はアタシのこめかみを突き破った

 貴男の匂いのベッドで眠る


 誰が書いたか解らない詩に曲をつけて鼻歌を歌う。

 いつも少しの期待をしながら上野公園へ向かう。

 美術館の前で誰が書いたか解らない詩の曲を大きな声で歌う。

 去年まで田舎に住んでた。自転車で歌いながら駅まで行ってた。

 上野公園は木々があり木漏れ日の中で落ち着いて歌に集中出来る。


 ツバを吐いた人になるくらいなら

 ツバをはかれる人になった方が良い

 みんなが寄ってくる空っぽのお弁当箱より

 誰も食べないチコの実をたくさんつけたい

 自分だけの魔法を自分にかけて街が眠る夜にたくさん空を飛びたい

 誰も行けない所まで

 誰もいない雲の上まで

 そしたらお月様と語り合うんだ


 嘘つきに囲まれてきたけど、此処に来て狭い場所に居たんだなと感じてる。

 なんでも神様にこじつける事で幸せとはと語るのと、自分の肌で音で声で視覚で感じる事の大事さを心に刻む毎日ー。

 アタシは誰かに向けて歌う。

 ツイッターに不定期に投稿される詩に曲を付けて此処で木漏れ日の中で歌う。微かな期待を抱きながら届くかも知れないと歌う。


 東京の空は世話しない人々を暖かく見守っている。

 夢を見てる人も疲れて何もかも嫌になってる人も皆同じ空を見ている。ツイッターのあの人ともこの空の下で繫がっている。


 アタシの唄


 どこに居ても同じ風が吹いている

 笑っているときも

 怒っているときも

 泣いているときも


 僕達はそれぞれに方向を変えて歩き出した

 君は赤いドア 僕は青いドア

 君は雨に打たれて階段の下で泣いている

 僕は風に吹かれて声が消し飛ばされた

 太陽はそれを見ている


 いつから始まったのか

 何処に向かっているのか

 どこで終わってゆくのか

 僕達には解らないど

 月はいつまでも見ている


 自分の声と自分の言葉で歌ってみる…東京の空に向かってー。


おわり

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オリジナルの誰 ワッショイ勝ち知らず(長谷川けろ) @kaburemono

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