本山基樹の最期
世界は「fije Hdigqshiijsguug swivdu」に支配され、誰もがそれを求めて彷徨うようになった。空いている店は一件も無くなり、電気、水道、ガスの供給は止まった。世界はすっかり荒廃してしまったのだ。
ブオーン!
俺はそんな世紀末の世界を500ccのバイクで走っていた。彷徨う彼らと違い、俺にはこれを引き起こした元凶…
そして彼のいる工場の近くまで来たのだが、様子がおかしい。人だ。土下座した人の群れが工場の周りを囲んでいた。皆が一斉に工場の方を向き、微動だにしようとしない。
これは真島が用意した防御用の肉壁なのか?それとも、彼らが自分の意思でこうしているのか…俺にはどうでも良かった。
「どけぇ!!」
ブオーン!ブチャァァァ!
俺は肉壁なった人々をバイクで轢き潰し、先へと進んだ。人々は悲鳴すら上げず、水風船のように爆裂していく。
…こんな事はしたくない。でも、やらなければ先に進めない。
さらに工場へ近づくと、建物自体が半壊している事が分かった。もう、この工場は機能を失っている。「fije Hdigqshiijsguug swivdu」はここで作れなくなったのになんでこんなに人が集まったんだろう。
その答えは工場の内部にあった。
外壁だけが残ったそこは、太陽の光がパッと差していて、まるで教会にいるかのように神聖な感じがした。
だが、そこにいたのは全ての元凶である真島と…死んだはずの的当教授だった。
「教授、生きてたのかよ!」
「そうとも言えるしそうとも言えないね。だって、今さっき復活したのだから。」
「どういう事だよ?」
一度死んだ人間は生き返らない。その定説を覆したのか?
「私は、呪いとして世界に広がっていたんだ。その呪いを受けた人々が沢山集まった結果、私は彼らを犠牲にしてこの世に舞い戻る事ができたのさ。」
「まるで意味がわからねえけどよ!教授がやらかした事ってのは分かった!死ね!」
俺は懐に収めていたドスを構え、教授に突進した。
ザクッ!
鈍い
ガクッ…
刺されたのは俺の方だった。割り込んで入ってきた真島にドスを止められ、返り討ちにされたのだ。
「真島ぁ……」
真島は俺を刺したまま微動だにしない。
…この時、一筋の希望が見えた。俺は最後の力を振り絞り、懐に入れていた紙を取り出した。これを真島のポケットに入れれば…
ストン…
よし…入った。真島…後は…お前に託し…た
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