第4話 誘い
ホームルームも無事終わり隣の席で帰り支度をする彼女に話し掛ける。
「夢久知さんさっき居眠りしそうだったでしょ」
そう聞くと少し焦った様に首を横に振った
「本当にー?」
今度は縦に首を振り続ける。
意味も伝わってるし無口なだけで日本語が不自由な訳では無いらしい
無口な彼女との会話?を楽しんでいるとクラスメイトの1人が近付いて来た。
「透君だっけ?俺は
転校初日でクラスメイトからのお誘い、正直かなり嬉しいが残念な事に家の片付けがある。
「親野君本当にごめん!誘ってくれるのは凄く嬉しいんだけど家族がまだこっちに来れてなくてさ、家の掃除と引越しの荷解きをしないといけないんだよね…」
「そっか…まぁ残念だけどそれじゃ仕方が」
「そんなんじゃいつまで経っても友達出来ないぜ!!!」
言葉を途中で遮りながら横から初谷縁さんが飛び込んで来た。
「そんな事言ってもなぁ」
「分かった分かった、荷解きでも掃除でもなんでも手伝って上げるから!ほら早く行くよ!」
初谷縁さんはそう言うと半ば強引に引っ張って廊下をグイグイ進んで行く。
「あ、私忘れ物しちゃった」
彼女は突然そう言うと小走りに教室へ戻って行った。
教室のドアを開け、未だ帰り支度をしている彼女の元へ駆け寄りながら声を掛ける。
「アリシアちゃんっ!良かったらこの後一緒にカラオケ行かない?」
彼女は少し驚き、迷っているようだが首を横に振られてしまった。
「そっか、透君の親睦会なんだけど無理強いは良くないしね」
「!?」
「どうしたの?」
「……」
普段通り無表情な顔なのだが何故か少し迷っている様に見える
表情を読み取ろうとしていると服の袖を軽く引っ張られた。
「えっと…」
「アリシアちゃんもやっぱり一緒に行く?」
無口ながらも彼女は力強く頷く
誰とも関わろうしなかった少女からの意外な返答により驚きと喜びの感情が入り交じる。
「本当に!?じゃあ行こー!!!」
無言で頷く彼女の手を引きながら小走りで廊下を駆けていった。
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