第18話 ひとりぼっちの1K

 本作を書いて暫く経つので恐る恐る書いている。


 僕は父から50歳の自分の生活へと自然と戻った。当然、Dr.9でもないし、発明で一財もなしてもいなかった。ただの派遣社員だった。未来は絶えず変化しているのだろう。


 多くの事を成し遂げられたのかもしれない。

 お金持ちになれたのかもしれない。


 それがなんだっていうんだろう。富も名誉も持つミュージカル歌手がホテルから飛び降りるニュースを見ると、そんなものでは幸せはなれないことがわかるような気がする。残念な気持ちでいっぱいになるよ。本当に。

自殺は二人称で自己完結しないものだからやったらいけないんだよ。ましてや親子さんを残して……自殺未遂した立場で偉そうこと言えないけど……もう僕はしないよ。


 久しぶりに職場に戻ったがなんの変化もなかった。相変わらず「ここ、間違ってますよ」とか「こんな間違いがあったんですけど、山口さん知りません?」とか言われてる。

 僕は50歳だが何の仕事なら合っているんだろう?いろいろしたよ。もうあまり思い出せない。

 自分では仕事自体があっていないような気がするよ。

1.外食産業の接客業

2.労務事務

3.総務事務

4.居酒屋の接客業

5.窓枠組の検査

6.車の部品組み立て

7.運輸業のリフト

8.フィルタ-の洗浄係

忘れているのがあると思うから、もっとあるよ。

これだけ仕事変えているのは自分でも異常だと思う。

一つには自分の失敗、もう一つには病気によるものだと考えている。


 双極性障害。そうとうつを繰り返す。うつ病より付き合い方が難しい。うつの時はまだいい。危険なのはそう状態のときだ。何せ周りの人がバカに思えてしかたがない。自分が偉くなったように感じる。


 その日は大手メーカーのお偉いさんの工場見学があった。


「社長、○○商事にプレゼンしていいですか?」見学の当日、初見の社長に詰め寄った。社長は「時間がないから……」と無視された。そらゃそうだよね!

 

 今、考えてもゾッとすることばかりしてきた。

 プレゼンしたかったものは業者と金型はこちらでつくるから特許を取ってくれ、という段階まできていた。また、仕事を辞める女の子がいて、辞めるのを止めたりした。何が悪い?

 そうした一連の私の行動を良く思わない人がいて、逐一、本社に連絡して解雇となった。これを機会にうつ病という診断から双極性障害に変わった。うつ病の期間は10年間だった。そして双極性障害は死ぬまで続くのだろう。


 今は1Kにひとりでいる。職場と1Kの往復だ。ひとりの時間が長すぎる。せめてモグ(飼い犬、チワワ、メス、超かわいい)がいてくれたらなあと思ってしまう。


 ショ-トショ-トを2作品読んで頂けたらその後はラブストーリーへと繋がっていく。





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