街の灯り

@Mirai_no_yume

第1話 プロローグ

アキナは左腕に痛みを感じながら、1ヶ月前に知り合った男のことを考えていた。

こんな気持ちになるのはいつぶりだろう。

スマートフォンの画面はまるでいらない物を捨てるように上の空で捲られていく。

〝恋した?〟


ぼんやりと考えているとモーターの回転するような音が止まった。「終わったよ。お疲れ様。」

ジリジリと痛む腕を見ると黒い花が目に入った。

タトゥーを入れるのは初めてだった。金髪だった髪も濃いめの茶色に染めた。20才を迎えるタイミングで別の自分になりたいと思った。過去が消えるわけではないけど、こうすることで、あの時のことは自分のことではないと信じ込ませることができるのではないかと思った。

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