怒り

何かを変えたいと思えば

まずみずからがひとつずつでも

諦めず変えていこうとしなければ


あれだけの不平不満さえも

喉元過ぎれば忘れてしまうのか

このニホンジンの不思議



どうでもいいことには

恐ろしく執念深いのに

肝心なことでは

呆れるほど、あっけなく思考を手放す

いつから世の中は

こんなふうになってしまったのだろう


覚えておかねばならないことは

簡単に忘れてしまう

他人ひとの痛みには鈍感で

突きつけるやいばに想像力のない残酷さ



ニホンジン、というのは

ニホン、という国は

いつから

こんなふうになってしまったんだろう



どうしようもない

虚無感に囚われながら


それでも静かに




わたしは、怒っている。

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