秋の日に

土の上には枯葉と

それから、いちめんのドングリ

その上を歩けばカサカサパチパチと

秋の調べが聴こえる


いつの間にか季節は巡り

歳を重ねてからの一年のはやさを

残酷な程に感じてしまう

過ぎていく日々に息切れしているわたし



(拾われないままに

踏み割られていくドングリ)


なすすべもないまま?



たちどまって、ふと見上げれば

風にそよぐ木々の間から覗く

青空と雲が、まるで小さな絵のようで


一瞬、見ることができた

不思議な情景に胸をつかれる



自然も人生も厳しく

けれど、なんと深遠なものであろうか

変わっていくからこそ

見える新しい景色がある


おそれまい


踏み割られたドングリも

そうして土に還るから


そのときは


土の匂いに抱かれながら

あの澄んだ空を、みていたい

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る