緑のふるさと

木々の天蓋を抜けると

青空が見える


もう十月だというのに

此処はまだ

溢れるほどの緑で満ちている


光と影の中を

ゆっくりと歩きながら

緑の匂いを胸いっぱいに吸い込む


踏みしめる土の感触は

ひと足ごとに表情を変える

同じ道などないのだと知らせるように


緑の生命いのちの力強さに

一日一日を懸命に”生きよ” と

言われているような気がして


わたしは歩き続ける

草の間を瑠璃小灰蝶ルリシジミが飛んでいる

ああ、ここにも生命いのちがある



木々の天蓋を抜けると

青空が見える


歩いていこう

自分なりに自分らしく

それでいい


それで、いい


いつか、魂となって

この緑の故郷ふるさと

還る、その日まで

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