街の灯
ひんやりとした風に誘われて
ベランダに出てみた秋の夜
まるで地上に降りた小さな星々のように
いちめんにひろがる
街の灯の輝き
不意に胸を揺さぶられる
ああ……美しい、と思う
なんて愛おしいと想うのは
自分の灯もまた
その小さな星々の中のひとつだと
知っているからかもしれない
ひとつぶ頬におちた
今夜、星は見えないけれど
空の星々のかわりに
この街の灯を
もう少しだけみていたい
と
おもった
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