赤い花

蕁麻疹の掻きむしってしまった痕が

手の甲に赤い花弁のように咲いている

痒くて堪らない時は

破壊し尽くしてしまいたいような

凶暴な気持ち

抑えていた諸々も

一緒にぶつけてしまうみたいに


掻くだけ掻いたら痛くなる

それもわかっていたことで

薬を塗りながら

この赤い花は残らずに消えてくれるかなと

それでも、あの痒みよりは

このヒリヒリするような薄い痛みの方が

まだずっと我慢できるから


大きな赤い花

小さな赤い花

蕁麻疹だったり

こっちには湿布のかぶれだったり

身体に咲く赤い花々


今年はまた花ざかり


こんな花なんていらない

こんな花なんていらない


早く消えてしまえ

嫌なことと一緒に、ぜんぶ、全部


子どもみたいに

キライだ!って声に出してみても

どうせ窓から入ってくる

風くらいしか聞いちゃいない


わたしの繰り言なんて

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