破壊幻想

壊してしまいたいという

この衝動をずっと抱えながら

わたしは結局

今もこうして幻想ゆめをみている


失くすことを恐れていては

創ることもできないのに

ちいさな玻璃球がらすだまのような世界を

わたしは、抱え込んで抱え込んで


いつかはちて

粉々になるしかないなら

いっそ、こんな儚い玻璃球モノなど

わたしの、この手でこの手で


そう思うのに

そう思うのに


粉々になって刹那キラキラと輝く

美しい玻璃片かけら幻想ゆめ

囚われているから


わたしは


抱え込んだ瑠璃球せかいを尚更に握りしめる

壊す幻想ゆめをみながら

抱え込んで守り続ける


きっと


わたしが朽ちてしまうまで

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