黄昏の町
其処はいつも夕焼けに染まっている
どこかの家から
ライスカレーの匂いが漂ってきて
今更ながらに空腹を思いださせたりする
「夕焼け小焼け」の無線チャイムが
通りに流れる頃
鼻の奥がツンとするような
切なさに囚われて
わたしは無意識に走り出している
帰りたい帰りたい帰らなければ
母の割烹着の胸に抱きつきたい
父の大きな手で頭を撫でられたい
ああ、祖母の声が聴こえる
そんな、夢を、みた
もう戻ることのできない日々
懐かしいあの情景
いつか
いつの日か
わたしがわたしという
解き放たれた時
わたしは
還りつけるだろうか
あの懐かしい黄昏の町へ
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