モテるとは

バブみ道日丿宮組

お題:無意識の愛 制限時間:15分

モテるとは

 映像作品を見てるとどうしてこんなキャラクターが好かれるのだろうかと疑問に感じる。

 別に自分自身がモテたいというわけではなくはないのだけど、無尽蔵の愛が与えられる主人公はとても不思議だ。

「……」

 姿見で見る自分は出るところはでてないし、モデルのように顔が整ってるわけでもない。その辺にいる女子学生Aとかそういう感じ。

 これでもいろいろ試してはみてはいるのだけど、さっぱり。話しかけられるのは友だちだけで私はいつもスルーされる。

 他人に見えてないのかと派手に動いてみれば、注目を当然集めた。なら、見えてないということはない。だいたい人が見えなくなるなんてありえない。ましてや私がそんな力があるわけでもない。

「はぁ……行こう」

 いくら自分を否定しても変わるものじゃない。ないものねだりをしても手に入らないものはいつまでも入らない。

「おはよう」

 玄関を開けると友だちがいた。

「どうしたの?」

「ん? 待ってたんだ。今日は一緒に行きたいなって」

「そう」

 玄関に鍵をかけると、友だちに隣に並んだ。

「そろそろ決めてくれた?」

 学校に向けて歩きだすと友だちは言葉を作る。

「いや……決めるも何も私と付き合うのって友だちじゃダメなの?」

「えー、恋人がいいよ。絶対! 他の娘に取られたくないし」

 なるほど。理解できない。これが作品の主人公ならどうしようもあるのだろうけど、私には無理だ。話についてくのがやっと。

「昨日告白されたでしょ?」

「されたけど……なんで知ってるの?」

「そりゃ大好きな人の情報ならなんでも知ってるよ。登校時間とか帰宅時間、お風呂入る時間とかね」

 ちょっと怖い。

「時間が経ったらやっぱ誰かに取られそうでやだよ。ねぇねぇわたしと付き合おうよ」

 この話題から離れたい。

 そうだ、確か……、

「今日体育あるよね?」

「そだね。また活躍してるの見せてよ」

「それはわからないよ。何のスポーツやるのかもわからないし、しないかもしれないしさ」

 活躍前提で話されるのも困る。

「そっか。そうかもね。あっでも準備運動する相手はわたしだからね」

「はいはい、ソウダネ」

 その後世間話をして学校まで向かった。

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モテるとは バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri

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