第5話



もう初めて会ってから一年は過ぎた。

これと言って好きなところはないけど、一年かけて私好みに育てあげたし捨てる理由もないから暇つぶしに会っている。


一男にとっても私は都合がよいのだろう。

決してモテることはないだろうし、見た目は優しいおじさんそのまんま。

彼女は10年くらいいないらしい。

自分から探そうともしてないので、できることもないだろう。

いつもにこにこしてるから、いじわるしてやりたくなる。


都合よく使ってるつもりで逆にこちらが使われていることにふと気づく瞬間虚しくなる。

私に彼氏がいるのを知っているからか、単に心までは動かないのか、一男の気持ちは一切聞いたことがない。



可愛い。一男はいつも可愛いと褒めてくれるから少しは自己肯定感も上がるかなと思っている。



一男に切られるくらいなら、私から捨てる。


捨てても一男が他の女の子探して、私より可愛くて若い子だったら悔しい。

一男のことなんてどうでもいい、私のセフレでしかない。いうこと聞く犬くらいにしか思ってない。




早く捨てられるくらいになりたい。





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