第26話 私、なんか変。。。でも、、、
飲み会の後、一人マンションに帰ったさくら。
ふと、新井さんも帰ったのかな?皆んな楽しそうだったし二次会行ってないのかな?
モヤモヤ、、、モヤモヤ、、、、私、なんか変
慣れないお酒を呑み、慣れない酔っ払い状態で、慣れない恋愛感情に触れてサクラは戸惑った、、、が、、、直ぐに寝た。。。
土曜日の朝、昨日の乙女心はアルコールと共に蒸発したかのように、さくらは全くいつものルーティンを始めた。
パソコンで日経電子版を開げ、気になる記事を切り抜く。そしていつものように分からないことは調べる。気が付けば昼時を過ぎていた。
そして、ひとこと呟く。「頑張ればいいことある。」
さくらは考えていた。iDecoと合わせて、いいえ寧ろ同等かそれよりも大き目にNISAを全面に打ち出した方が、興味をもってもらえるのではないか?
今年から新NISAがスタートし、さくらは家計部門の資金移動が始まったと思っていた。
民間の金融資産は2,115兆円、その内1パーセント動いただけでも21兆円。
うーむ。年明けからの株式市場の強さはこの影響の始まりを反映しているに違いない。
「よーし、裏付けになるデータを集めてみよう!」ニコッ。
第三者的には何が、ニコッ、なのか理解に苦しむがさくらは仕事が好きなのだ。
そして何故か、、、次の瞬間
新井さん、何してるのかな?
ふーむ。。。
え!え!私、なんか変。。。
まさか、いやいやそんなはずない。
大体、そんな余裕なんて私には無いの。
頑張ってお母さんに良い報告出来るように。
お母さんが、頑張って育ててくれた恩返しがしたくて厳しい金融機関へ入社したんだ。
先ずは一人前のバンカーにならないと。
お母さんが尊敬してたお父さんみたいな。
お父さん、さくら頑張ってるよ。
お母さんに安心してもらえるように。
お母さん、待っててね。
ボーナスでたくさんお土産買って帰るからね。
さくらは芽生え始めた感情の蓋をした。
父が早くに他界した後、母がどれ程の苦労をして自分を東京の大学に行かせてくてたのか、間近で見ていたさくらに恋愛など今は罪悪感さえ覚える感情だった。
仕事を掛け持ちしながら何不自由なく育ててくれた母。
土日も休まず働き通しの母から、さくらは愚痴を一度も聞いたことが無いのだった。
疲れた母の背中越しに声を掛けると、お母さんは決まって、頑張ればいいことある、とにっこり笑って背筋伸ばすのだった。
さくらは気付いていた。
お母さんは大好きで尊敬するお父さんと今も一緒に生きていて、私たちの成長を楽しみに頑張ってくれていることを。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます