「サヨナラ」2021年7月31日

今日の昼頃、アイツからラインが来た。


『本日、65万2596円振り込みしました。ご確認お願いします。

確認後、完済連絡を頂けると助かります。


ご迷惑おかけしました。』


うん、迷惑でしたよ。最後に文句を言いたかったので、時間が取れる夜まで既読をつけずに過ごした。今日は仕事なんだ、、、




仕事を終えて帰宅し、飯を食って、風呂入って寝るだけとなった状態でラインを開く。

なんて文句言おうかとしばらく考えてからキーボードの上に指を置き、拙いダンスを踊らせる。


「今、確認しました。なんで俺から盗んだの?」

「なんで、嘘をたくさんついたの?」

「家族に迷惑かけてまでして、何がしたかったの?」


『確認ありがとうございます。』

『理由は、ただ単に自分の甘さからだと思います。

ごめんなさい』


「パチンコはやめたの?」

「やめんとマジで見捨てられるよ、、、親戚一同に」


『やめてます。親を面倒みるので、今は精一杯です』


嘘やん!実は今日の昼も行ってるのを、GPSで確認している。


「行ってるのは知ってるよ、パチンコ」


『どういう事ですか?』


「さ、、、どういうことでしょ?考えてみれば?」


アイツ沈黙しちゃったわ、、、

この際だし、攻撃するか、、、


「あ、そうそう冷えピタ、冷たい飲み物は無意味だからね。余計に身体を壊すよ。

暑いからって冷えピタは全く意味ないし、頭が冷たいと認識するだけで身体は冷えてない。太い血管が肌の近くを通ってるとこを冷やすと身体は冷える。

冷たい飲み物は、内臓冷やして内臓の働きを悪くして、様々な病気の引き金になるから要注意よ。」


アイツは太ってて、暑いから冷えピタして冷たい飲み物をがぶ飲みしてたんだよね、、、


『分かりました。ありがとうございます』


「あんたのためとちゃう」

「親戚を思って助言した」


『そうですよね』


「金も返さないといけないしね」

「親戚から借りたんでしょ?」


『はい』


「あんたから借りる相手に友達って出てこないから、1人もいないじゃないの?」

「さんざん友達とか俺に色々説教してきたくせに、自分はどうなの?」

「こんなことをしとれば、誰もいなくなるよ」

「過去に自己破産もしたみたいだし」


既読がつくだけで、なかなか返信が来ない。5分経っても来なかった。


『友達は家庭があるので、

大金は借りれなかっただけです。親戚でもなんとか借りれました。


ご迷惑かけました。

助言もありがとうございました』


「そっか、、、図星かと思ったよ」

「反応遅かったから」


俺と母さんの仕事場がある稲宮市内と母さんの実家のある東秋市内をアイツが低速でウロウロしてたのは、GPSで確認済み。


「俺たちを探したりしてないよね?」


『してません。』


「ほんとに?」


『はい』


最後まで嘘をつくアイツに呆れるわ。

アイツは、位置情報と速度が分かる高性能なGPSだとは思ってなかったのだろうな。せいぜい近づいたらアラームが鳴る程度のものとしか思ってなかったかもしれない。さっきチラッと種明かししたけど、画面の向こうで焦ってるアイツの顔を想像すると笑っちゃうぐらいしてやった感がある。

どっちにしろ本当のことは、お互い言えないから分からないけどさ、、、


「探してたの見つけたら、マジで訴えるからね」


『分かりました』


「過去にこんなことになって、白崎に行けなくなったとちゃうの?」


『違います』


「こっちに来ないでよホント」


『行きません』


「偶然でも顔を合わせたくない」


『はい』


「親戚への返済頑張ってね、パチンコ等のギャンブルとか煙草、甘いものをやめんと今後詰むで!」


『分かりました』


「ではサヨナラ、二度と会うことはないでしょう」

「ブロックするんで」


『はい、ご迷惑おかけしました』


ブロックして、何とも言えない感情が噴き出してきた。アイツの全てが嘘だったとは思いたくもないしけど、全て噓だったと思ってしまう自分もいる。


恋愛とは?結婚とは?幸せとは?何だろうと考えてしまう。

答えはでないだろうけど、自分なりの答えを探しながら生きていこと思う。

まだ22歳、これからどうなるかも分からない。


様々な人がいるこの世界、今回はたまたまハズレくじを引いてしまったのかもしれない。

当たりが出るように祈り、今日を生きていく。



〜〜〜〜〜〜〜

新たな悲劇が俺を襲う!

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母さんの彼氏に口座管理されてたんですが、自分が稼いだお金が約265万消えてた、、、どうしてだ! 如月米美 @rabbitmizugame

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