「全てはアイツの掌の上だったのか」2021年5月29日夜③

突然母さんが話題変更してきた。


『私から見た米美のイメージ』


「イメージ?」


『苦手でやらなきゃいけないこと、絶対やらなかったよね』


「うん」


『だから米美の事見捨ててた、何回言っても、やらないから』


「今もあんま変わらないかもしれんよ、、、」


『なら、米美とは一緒には暮らせない』

『こっちのストレスがすぐに満タンになるから』

『学生時代から、変わってないんなら、いっしょに暮らすのは無理だよ』

『あの頃、どんだけ、頭痛に悩まされたか、知らんでしょ?』


「知らないです」


『今の米美とは、比べ物にならないくらいの苦しみ』

『米美が1人で暮らししてから、あの苦しみから開放された』


「すみませんでした」

「もし、一緒に住むなら俺にどうしてほしい?」


『私が今まで注意した事は、全部できるようにしてほしい』

『米美が無理なら、いっしょに暮らすのは、永遠にないと思って』

『いっしょに暮らしてた頃も含めてのことだからね』

『私が注意した事を覚えてるなら、いいけど、忘れてるなら、もう知らん』


雲行きが怪しくなってきたぞ、、、なんでだ?


「正直、覚えてないです」


『こっちの言ったこと、すぐに忘れる、大事なこともね、忘れる』

『心療内科まだ、行ってるのかな、もう行ってないよね』

『自分の障害、ちゃんと受け止めてる?受け入れてないよね』

『嫌な事だから、まだまだ、沢山あるけど、言い出したらキリがないわ』


まさかあのことを母さんにアイツは言ってないのか、、、マジか


「アイツから聞いてない?診断結果のこと」

「その結果を受け、大事なことは書くようにした。

何に気をつければいいのか分かったから、だいぶ生活しやすくなったし、、、」


もしかしたらあの母さんが激怒したアレも、アイツの独断?

マジか、、、全てはアイツの掌の上だったのか、、、

俺は3年前の冬のことを振り返った。

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