レオネス 幼少期編

プロローグ(世界観説明)

 物語の舞台は、周囲の海域に発生している嵐によって近づくことすら出来ない、とある大陸。

 その嵐は『嵐の壁』と呼ばれ、この場所を閉鎖的にしていた要因ともなっていた。

 この大陸の名前こそ『ケディアーク大陸』である。


 豊かな自然を持つこの大陸で、人々は神の恩恵と呼ばれている『エレメント』を用いて生活してきた。


 これらは火、水、風、雷の四元素に分類され、時に生活を潤すために、時に彼らを脅かす存在…『魔物』と戦うために使われてきた。


 中でも、この大陸の歴史で特徴的なのは『勇者』と『魔神』と呼ばれている存在の戦いの記録である。


 百年に一度、一人の人間に乗り移り大陸の平和を乱す魔神に対し、

 それを退治するために常人では扱えない光の力を宿し、人々を守る勇者。


 全ての戦いにおいて勇者が勝つ事はなかったが、それでも人々は戦い、平和を勝ち取ってきた。


 幾度と繰り返された両者の歴史。

 そして、今から始まるのは勇者『クライン』が『憤怒の魔神』と戦い、相討ちになった後の物語。


 この争いで、当時大陸の中心にあると同時に、最大規模の国であった『ハール・ケディア王国』は魔物に落とされてしまう。

 しかし、国王が自らを犠牲にして時間を稼ぐことで、民達は大陸の東と西に分かれながら避難する事に成功する。

 この出来事により大陸の東と西、それぞれに大国が作られた。


 西側に位置する国『フェイル・ケディア王国』では今までと同じく『大陸神カロヌス』を信仰し、その恩恵によりエレメントを操ることで人々は生活をしてきた。


 だが、東側に位置する国『コーボス・ケディア帝国』では神への信仰を捨て、技術でエレメントを操作する生活形式を選んだ。

 結果として両国の仲は良いとは言えなかったが…国交断絶には至らない距離ではあった。

 これには大陸の中心に位置する『旧ケディア王国跡地』と呼ばれている、現在では魔物に支配されている場所も少なからず影響していた。



 ──そして時は流れ、勇者と魔神の戦いから百年が経とうとしていた頃。

 魔神の復活に備え、両国で独自の対策が練られる中…運命の歯車は動き始める。



 その始まりは、帝国側の小さな村『ハテノ村』に住む少年からだった――

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