魔道具の従者

霧島らっき

第1話 章平の学校生活

僕の名前は「赤岸 章平」。15歳。ごく普通の中学三年生。今、受験の真っ最中です。来年から、合格すればこの高校、「浅木白山(あさぎしらやま)高校」の一年生になります。

……っていっても、試験前の判定テストで合格率、ぎりぎりだったから受かるかどうかは天まかせだけど……。どうやら神様は僕のことを見捨てていなかったらしい。


見たことあるような問題が紙の上に並んでます!!!


ありがとう。神様!!!


こうして、僕はなんとか人生一回目の苦難を乗り越え、高校生となった。




入学式を終え、高校の教師たちの授業についての説明も終わった。

僕は高校ってこんなものなのか~とあんまり中学と変わんないじゃないかとも思いつつ、やっぱりこれからの生活に期待していた。

彼女とか出来て、放課後デートとか。青春の部活動とか。


そんなことを考えていたら、なぜだか図書委員に任命されてしまっていた。

どうもホームルームでの委員決めで多数決によって決定したらしい。

委員にしたい人の名前を紙に書いて投票。って、さっき初めて会ったばっかりなのに?? それは、無理があるんじゃないだろうか……。

第一印象でってこと?委員長とか副委員長とかは、頭良さそうな人でリーダーシップのある人とか選ばれるんだろうけど……。


図書委員ってことは、おとなしそうということだろうか?

活発な方ではないという意味では間違ってはないけど……。

自分ではそんなにおとなしいとも思えない。

まぁ、いっか。別に本、嫌いじゃないし……。


「赤岸くん。今日の放課後、図書室の先生が委員会をするからって。よろしく~」


クラス委員長になった、松林まつばやしくんが言ってきた。

松林くんは、下の名前が寛丞かんすけっていうらしい。広い心で皆を助ける……そんな意味合いでつけられた名前だそうだ。本人の印象もその名前の印象を裏切らない好青年だ。やっぱり委員長に抜擢されるだけあって頼りになりそうな感じだ。行動もテキパキしてるし……。


でも、放課後って……いきなり?

もしかして僕、押し付けやすそうに見えただけじゃ……?


そんな疑問を持ちながら、僕は放課後に図書室へと向かった。

まだ、どのクラスもホームルームが終わっていないらしい。

僕が図書室へ一番乗りだ。

図書室は思っていたより広くて綺麗だった。

まぁ、時間もあるし……適当に本でも見ておくか。

そう思って、僕は図書室を適当に見て回った。

すると、ある棚の前で足がとまった。その棚にある本が気になってしかたない。

まるで、本に呼ばれているように僕はその本を手に取った。


開いてみると、その本には様々な道具についての逸話が載っていた。

しかし、見たことも聞いたこともないような道具ばっかりだ。

すると、そのとき他の組の生徒が図書室へ次々と入ってきた。

とりあえず、この本は帰ってからゆっくり見るとしよう。

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