ゲームとリアル

バブみ道日丿宮組

お題:恋のオンラインゲーム 制限時間:15分

ゲームとリアル

 得点式は、今じゃ学校で取り入れられる程のオンラインゲームだ。

 その世界では衣食住に関するものや、歴史について多く学ぶことができ、さらには賃金を稼ぐこともできる。コレ以外もかなり充実しており、セカンドライフとも言われてる。

 そのため授業のカリキュラムの1つとしてどの学校でも1時間は必ずこのゲームを取り入れてる。そこには得意不得意はあまりでない。ゲームということもあって誰もが気軽にできることが売りでもあるのだろう。

 僕はといえば、家でも同じゲームをしてるぐらいで今じゃ親よりも金を稼いでるぐらいだ。

「……またか」

『あなたが好きです』というメッセージが入ってた。

 差出人はわかるにはわかるけど、聞いたことのない人物だ。ゲームということもあって不特定多数がプレイしてる。もちろん、個人情報はでないのだけどIDは繋がってる。

 いわゆる個人番号がリンクしてて、血液情報や、性別はもちろんのこと、肉体に関するデータが入ってる。

 そのためリアルとは違う名前を使えても、本質的なデータはリアルと変わらない。ちなみにこのオンラインゲームをするためには様々な検査を受けて合格しなくてはいけないのだけど、学校に取り入れられてるため、普通に学校に入っていれば遊べる。ちなみに複数IDは持てない。

 で、メッセージは当然ながら異性から送られてきてる。

 学校じゃ見ない名前だ。さすがに上級生や下級生の情報まで頭に入ってないので確かなことはいえないが……。

「……」

 何にしても最近やけにこういったメッセージが多いのはなぜなんだろう。モテ期というにしてはゲームの中ではほとんど容姿なんて作り物だ。性格が好かれるといっても、話したこともない人とのつながりを求めるとは思えない。

 確かに僕の名前はいろんな情報サイトにのっていたりはするけれど、情報はほとんど出してない。そこは未成年保護という観念からそういった風に運営が守ってる。

 が、恋愛やファンメールに関してはそうでもなく、こうやってすり抜けて届くこともある。厳重なセキュリティをきちんと踏んできてるものなので安全とはいえるが……。

「……はぁ」

 やめよう。

 中止して、他のことに頭を使おう。

 そうすれば、なにかいいアイディアが浮かぶかもしれない。

 僕はそうやって富を得たんだ。

 きっと恋人だってできるはずだ。

 まぁ……あったこともない名前だけの人物はさすがにあれだけど……。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

ゲームとリアル バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る