Xランクの魔法使い
バブみ道日丿宮組
お題:ワイルドな魔法使い 制限時間:15分
Xランクの魔法使い
魔法を使うのに詠唱を行うのはBランク魔法使い。上位になればなるほど魔法使いは詠唱を行わない。するのは魔法名をいうかいわないかくらい。
そんな中で特殊な存在はXランク。
1人の少女がこれに該当する。
「えっと……眠って?」
魔法は少女の言葉に従い発動する。
発動した魔法は、岩石落とし。睡眠を与えるのではなく、永眠を与える魔法だった。
「あなたいつもやりすぎよ!」
仲間がぺちぺちと少女の頬をつつく。
「そっかな? 狩りが完了するまで眠ってほしかっただけなんだけど?」
「狩りの前に土地を破壊しちゃ意味ないでしょ!」
岩石は少女たちの周りにある土を利用して作られたもの。だからこそ、少女たちのまわりは穴ぼこだらけだった。
「あとで直すよー。今はほらあのわんこちゃんがいたらバレちゃうからさ」
「気配を察するやつだったら逃げちゃうっていつも言ってるでしょー」
「いつも逃げないから大丈夫だよ。魔物って言われるくらいだし、肝が据わってるよ」
深い溜め息が仲間から漏れる。
「あなたと一緒に旅してると心休まるときがない」
「そう? 私家にいた時からこんな感じだけど?」
「そうだったわね。あなたの場合は、家がどんな物質よりも固くできてたから問題なかったのよ」
そうなんだと少女は言葉をこぼして、歩を進めはじめる。
「あんまり遅くなるとめんどうだし、はやくいこ? 近くにはもう邪魔する動物はいないみたいだし?」
「そりゃあんだけ音たてれば逃げもするわよ」
やれやれと表情をしかめっ面にし、少女のあとを仲間が追う。
「言っておくけど、洞窟の中だったときは派手な魔法は使わないでよ」
「わかってる。崩落しちゃうものね。まぁーそうなっても大丈夫だと思うけど」
Xランクーーそれは誰よりも強い魔力を持つ少女のために与えられたランク。そのはずであるが、実のところ災害ランクとしてのランク付けの印象のが強い。
クエストを完了するまでに新しいクエストを作るワイルドさはどこにいっても変わらない。
少女たちが旅に出てはじめの頃は、数多く入るSランク、Aランク魔法使いが彼女に挑戦したものであった。そして返り討ちというよりは木っ端微塵にされたため、だんだんと畏怖される存在となった。
そういう背景からXランクがついた所以であることを少女は知らない。
トラブルメイカーというやつだ。
だが、そんな少女の旅についてく仲間はそうは思わない。それもまた愛嬌だと。
Xランクの魔法使い バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri
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