書く人間

バブみ道日丿宮組

お題:愛すべき小説の書き方 制限時間:15分

書く人間

 物語の書き方は人によって違う。それは日常的な心理描写であったり、ただの会話であったりと多々の好みがある。

 とはいえ、やることは変わらない。

「よしっ名前決めようかな」

 文字を書く。ただそれだけの作業が小説の書き方だ。そこに楽しいという感情は存在しない。頭に浮かんだものをひたすら書く。その作業に苦痛を感じることは愛でカバーだ。自分はそうしてる。

 もっとも書いたものが他人に評価されるなんてことは愛以下の問題である。

 まず読んでくれるかどうかを考えることから始めるといい。大体は読んでくれないとすぐに理解できるはずだ。

 

 そうして誰にも読んでもらえないとなっても恥じることはない。

 

 書いたということが大事で、流行ってほしいというのは二の次。大体なんでこんなくそ小説が流行ってるんだという作品は世界には数多く存在するのだからね。

 小説はまるで同じなにかを読まされてるようでパターン化してる。そこを技術力でなんとかすると先生は言ってたが技術力でなんとかするなら、プロの小説家なんてものはどんだけ凄いのだろうか。理解できたら参考書を執筆したいものだ。

「これでいいかな。DQNネームに近いけど、オリジナリティはある」

 どの作品も極論でいえば同じものだ。それはストーリーという枠組みがある時点でなんら変わらない。

 

 事件が起こり、それを調査し、解決する。

 

 言葉が違うだけで結局はこのパターンを繰り返すだけだ。

 だからこそ、小説を読んでるとキャラクターが違うだけで同じ世界にいるものだと錯覚してしまう。そういうことならば、その錯覚を持てないような作品作りをすることが小説には大事な書き方といえる。まぁそれがなんなのかを理解できてないのが自分であったりする。

 自分は過去にこれまで何百という短編小説を書いたが実を結んだものはない。多少の感想をもらえるだろうと思ってたものは全て何も評価を受けてない。

 これでは書き損ではないのだろうか。唯一先生は読んで感想をくれるがそれは、『先生』であるからして『読者』ではない。

「はぁ……」

 ここまでやってきたのは愛と呼べるのだろうか。

 他人との交流をさけ、ただ画面を見る日常。そこにいったい何が残ってるのだろうか。

「まぁ……」

 自分というのは変えられない。

 なら、書くしか選択肢はないのだ。

 

 そうして一つの作品ができあがった。

 

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