はじめてのこと

バブみ道日丿宮組

お題:初めての娼婦 制限時間:15分

はじめてのこと

 彼女の名前を聞いてたはずなのにいざ本番となると出てこない。

 初体験というのが僕の認識を何枚もの障壁が覆う。

「どうしたの? やらないの?」

「……そういうわけじゃない」

 相手は自分よりも年齢が高く、身体つきがいい。

 いろんなトレーニングをしたのに僕は幼児体形のまま。

「それにしてもあなた面白いわね」

「……なにがです?」

「同性でここにくることがよ。てっきりまた鼻息荒いおじさんを相手にするかと思ってたのに」

 するりと彼女は僕の肩から胸までなぞる。

 乳首までそれが落ちると、ぞくりと身体が反応した。

「あ、えっと……そのダメなんですか?」

「ダメってことはないわ。お金を払ってくれるのはみんなお客様よ。知識だってあるのだから」

 指先がどんどん下がり、おへそを撫でてくる。

「あなた敏感なのね。奥までやったらどうなっちゃうのかしら」

 僕がびくびくと動くものだから、彼女は楽しんでるようだ。

 反撃しようにもやはり勝手がわからないので受け身になるしかない。

 だいたい自分が満足しにここへとやってきたのだ。相手を満足させるのは二の次ではないか? それとも相手を満足させるまでがサービスなのか。

 彼女の指が秘部をなでつけたとき、その思考はかき消された。

「なるほどね。あまりみないタイプだわ」

「そ、そうですかね」

 なるべく平常心をと、頭に浮かべるが、自分ではない動きに対してそれは無効。攻められた一撃にただ反応するしかなかった。

「こういうのもはじめてなのかしら?」

「見ぃたことぅはありぃますけど……」

 なんとか頭を上げて視線を彼女が持ってるものに向けると、細長いバナナのようなものがうねうねとうごめいてた。それはまるで芋虫のようで少し怖い。

「大丈夫、痛くないわ。すぐによくなる」

 魔性というのか、あまり見たことのない笑みを彼女は浮かべてた。

「んんー、んん、い」

 接触はそれからすぐにやってきた。

 思った以上に固くて、長い。

 本当にそんなものが入ってしまうのかと恐れてたのに、今は不思議と感触を求めた。

「これは通過点でしかないわ。コレに加えてーー」

 彼女の指が秘部の近くにある山頂を刺激した。

「ん!」

 身体がその刺激に跳ねた。

「ふふふ、かわいい」

 息遣いが荒くなった僕が開放されたのは、それから10分もあとのことだった。つまり、制限時間いっぱい攻められた……ということ。

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はじめてのこと バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri

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