第38話 38、エピローグ
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周平は始皇帝になってしばらくして死んだ。
息子達の一人が皇帝を継ぎ、その子供もまたその子供も皇帝となった。
人間は様々だ。
賢い者もいれば暗愚な者もいる。
支配が好きな者もいれば支配されることに不満を持つ者もいる。
優れた支配体制のためか、穂無洲国の世界の支配体制は千年ほど続くことができた。
万は周平以外とは一切の関わりを持たなかった。
人間の余命は自意識を持ってからせいぜい50年である。
千年の間に生きて死んで行った人間は必ず何かをこの世に残している。
それらは時を経て蓄積して行く。
臨界点に達すれば何かが誰かがきっかけを作れば全体が動くようになる。
鳥の群れの方向が変るようなものだ。
万の住んでいた周囲の山々は始皇帝たる周平による命令によって頑(かたくな)に千年間も守られていた。
もちろん興味がある者は禁を犯して入山したこともあった。
それらの者は戻って来なかった場合もあり、何かがあってそれ以上は入れなかったと語る場合もあった。
万の山はその後、数千万年を経ても入ることができなかった。
当世の科学を自信を持って信奉している科学者も『不思議』としか言えなかった。
万の山を囲む不思議な領域を説明できるようになるには一億年もかかるであろうことは誰も想像できなかった。
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