第4話 ひとりごと -きつねのきょん- そのさん

今日は社の務め。


清め、祈り、言祝ぎ、

そして、訪れしものを待ちわびる。



宇宙(そら)の港に着く宇宙船(ふね)、

今日もなし。



いつものとおり、

そらからも、海やりくからも訪れるものはなく、

静かに日がすぎゆく。




久方ぶりに、友ぱいろんに手紙をおくる。


ぱいろんからの頼みごと。

竜の神さいふぁさまへの、港の日々をしたためた映像を渡すため。



地におりし竜は、

やがてつながれし地からかえり、

蒼空(そら)へともどると、ぱいろんは云う。


ぱいろんが母、タマさまは、

いなくなられる前に、穏やかな日々の暮らしこそ、

神が悪神としてかえりゆかれる事をさける、ゆうこうな手立てと申された。




すこし寂しくおだやかな日。


一日が始まり、

やさしき時が、

ゆるゆると流れすぎゆく。



神は地におり、

世は事もなし。


何事もなく、今日がおわる。

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