チャプター 7 自殺・失恋・スーサイド

今までのこと思い出そうとしてみたけど何も思い出せなかった。


でもたしかに楽しいこともあったし、うれしいこともあった。


風が強く吹いている。


思い出したとしても詮ないことなのに思い出せないとなると辛いかも。


いっそ忘れてしまえればいいのだけど思い出の抜け殻だけは記憶の中に確かに存在しているみたいだ。


もしかしたら本当は何も思い出したくはないのかもしれない、君のこと。


あー、ほんとうに好きだったなぁ。自分でもあきれるくらい好きだったよ。


だから、けっしてさみしくなんてないよ、こうして瞼を閉じればキミの笑顔が見えるもの。


風が頬をなぶり、涙も攫っていく。


「ヅラ飛びそう!」


アキラは、そういって身を投げた。

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