第22話 僕らの使命

 ノッポさんが隊員を連れて戻ってくると、隊長は次々と指示を飛ばしていった。さすがに隊長といわれる人であり、決断さえすれば、素早く適切な指示がだされていく。


 そして、校長に「こちらはお願いします」と言葉を残し、ノッポさんたち隊員とともに公民館までの状況確認へと向かおうとした。その時、


「トシヤ」、校長はノッポさんを呼び止め、「まずはやらねばならないことがあるだろ?」


 校長が言葉を続け、ノッポさんだけが残り、隊員たちは部屋を後にしていく。


 さらに校長は関係各所に連絡し、準備を整えていった。そして、僕らへと、「君たちは危険ですから、先に向こうに避難していなさい」


 校長は避難者への説明のため、ノッポさんと体育館へ向かうという。


「いや、僕は最後まで残ります」


 すぐに、私も、と美和の声が続く。渋るような表情を見せる校長に対し、


「僕らは大丈夫です。言いだした本人ですから、どういう状況になるかは一番分かっています。ですから、最後の一人まで見届けるのが――」


 校長が隊長に言った言葉が浮かんでくる。

 これこそが僕らの、「使命です」


 校長は、分かりました、と大きくうなずいてくれた。




 階段を下りたところにゴリさんの姿があった。周りを気にしてか、小さく携帯電話を掲げ、遠慮がちに親指を立てている。

 顔には、どうだ電話作戦上手くいったろ、とばかりに笑みが浮かんでいる。

 僕も小さく親指を立て、その姿に応えた。

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