パラダイス学園 〜 五十嵐 零一 編 〜

ハル

第1話 寮生活

私の名前は


春日 悠菜(かすが ゆうな)16歳。


家庭の事情により、とある高校に入学する事になり、ギリギリの入寮となった。


寮の前にいると、二人の男の子が来た。



「君、可愛いね」

「誰かと街合わせ?」

「いいえ…えっと…寮に…」

「寮?何年生?」

「1年生です」


「1年生?部活希望?もしくはマネージャー希望?」


「いいえ。部活とかマネージャーは希望していなくて…帰宅部なんですけど…」


「帰宅部!?」

「はい」


「だったら、こっちの寮は、2、3年用の部活生と女子マネージャー用の寮になるから」


「そうそう。1年生なら、もう少し先に第一寮ってあるから、そっちに行ってもらうといいよ」


「そうなんですね!すみません、ありがとうございます」



私は去った。




「今の子、マジかわいくね?」


「あんなマネージャーいたらマジテンションあがるんだけど?」


「そういや…今年から共学だもんなぁ〜」



私は移動した。



「第一寮…ここかな…?…すみませーん」

「はいはぁ〜い」



奥の方から声が聞こえた。




「どちら様ぁ〜」



と、言いながら一人の男の人が現れた。




「あらぁ〜?寮生かしら〜?」


「はい。家庭の事情で急遽、入学式前に来る事になって…寮生として…来たんですけど…」


「あー、なるほど〜。お名前はなぁに?」


「悠菜。春日 悠菜です」


「悠菜ちゃんね。私は、栄次。中沢 栄次(ながわ えいじ)よ〜。宜しくね〜」


「はい。御世話になります」



私は部屋を案内される。




玄関から入って廊下が続き右側にはリビングのようなお洒落な食堂がある。



一階に、バス、トイレがある。



それから2階に続く階段があり2階にあがると両サイドに同間隔で部屋が並んでいる。




「一応、各部屋にバス、トイレはあるから安心して良いんだけど、ここの寮は元々、男子寮だから初の女の子の入寮なのよ」


「えっ!?」


「1年生だけだから仲良くしてもらえば良いわ。みんな良い子ばかりだから」


「はい」


「何かあったら遠慮なく相談して〜」


「はい!分かりましたー」

「夕食が出来るまでゆっくりしていて構わないから」

「分かりました」




そして、寮生みんなと顔合わせとなる。


しかし、良くこんなにカッコイイ系がそろうものだ。




《ここはイケメン寮?》



全部で5人の寮生がいる。





入学式――――




共学のはずが、入学生の女子は意外に少なく感じた。


その日の寮での事だ。


食堂のテーブルに顔を伏せる。




「女子、少なすぎ…」


「去年まで男子校だったから」


木更木 亮平(きさらぎ りょうへい)君。



「…そうだったんだ…どうりで…」



「知らんかったんか?」


桜木 康介(さくらぎ こうすけ)君。



「うん…正直…知らなかったかな?」


「下調べ位したらどうだ?」


五十嵐 零一(いがらし れいいち)君。



「そんな余裕なかったし…急遽、入学式に間に合うようにギリギリ、バタバタで来たんだし!」


「もっと時間に余裕を持つべきだ!」

「零一君、お父さんみたいな事言うね?」

「お父さんだと?じゃあ、お前は、お母さんか?」

「えっ?私、いつ零一君と夫婦になったの?」


「えっ?」


「確かに」と、近藤 竜神(こんどう りゅうじ)君。


「ちなみに私はお母さんみたいな感じじゃないし!」


「じゃあ何だ?お姉さんか?妹か?それとも、おばあちゃんか?ひいばあちゃんか?」




零一君の口から次々に出て来る人物に圧倒される中、寮に笑いが起こる。




「超ウケるんだけどー」


花月 恭吾(はなつき きょうご)君。



「かなり押され気味じゃね?」と、竜神君。



寮の夜は老けていく。



そんな私は零一君と同じクラスになったんだけど……


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