パラダイス学園 〜 桜木 康介 編 〜

第1話 寮生活

私の名前は

春日　悠菜（かすが　ゆうな）。１６歳。

私は家庭の事情により転校する事になった。

しかも、寮生活という初の試み。

「すみませーん」

「はいはぁ〜い」

奥の部屋から返事をしながらも足音が玄関先に近付いて来る。

「どちら様ぁ〜？」

話し方に独特のある男の人だ。

「あの、ギリギリですみません。こちらの寮生に御世話になる事になった、春日　悠菜（かすが　ゆうな）です」

「あー、今年から１年生になる女子第一号の寮生ね」

「…えっ…？今年…から…？」

「そうよ〜、ここは元々、男子校で寮生も男の子ばかりなのよ〜」

「えええーーっ！？」

「あなた可愛いから、モテ子ちゃんかもね〜。ちなみに、ここの寮生も男の子達ばかりで５人の同級生の寮生がいるから相談とか、リクエストあったら気軽に聞いて〜。あ、私、中沢　栄次（なかざわ　えいじ）宜しくね〜♪」

「は、はい」

「トイレとお風呂は各部屋にあるから」

「分かりました」

私は案内され気付けば、いつの間にか眠っていた。

朝になり、私は初めてリビングに行く。

食堂でありながら、広いリビングで、寮とは思えないようなリビングがある。

「おはよございます！すみません昨日は寝てしまって」

「あー、良いのよ〜。疲れてたのよ」

「お」

「ん」

「な」

「が」

「い」

「るうぅぅっ！」

テンポ良く、一人ずつリズムカルに言っていき、最後は一斉に声のトーンが上がった。

「……！！！」

「本物っ！？」

「正真正銘に女子ぃ！？」

「見た目だけかもしれへんで！」

「…あの…」

「や〜ね〜。彼女は本当の女の子よ〜」

「そうなんや！ほな安心したわ！」

《ここはイケメン寮っ！？》

「女の子は一人だから、みんな仲良くしてあげるのよ〜」

《これだけのイケメンがいたら》

「今、緊張してたでしょう？」

ギクッ

「えっ？」

「男の子ばかりだからね」

「別に普通にしてればええんちゃう？」

「そうそう」

「仲良くしようね」

「は、はい。えっと宜しくお願いします」

そして、５人の自己紹介をされた。

入学式当日――――

《女子…少ないなぁ〜…やっぱり男子校だったからかな？》

女子が少ないのもあってか注目を浴びる。

「………………」

《一緒のクラスに誰か寮生いるかな？一人は嫌だな…》

そこへ――――

「クラス一緒みたいやな？」

「えっ？あ、えーと……」

「桜木　康介(さきらぎ　こうすけ)や」

「あっ！そうだった。桜木君」

「下の名前でええよ」

「あ、うん。じゃあ康介君だね」

「それでええよ」

私達は教室に移動した。

その日の帰り――――

「なあ、街に行かへん？」

「街？行く！」

「じゃあ、決定やな」

「うん」

私達は街に出た。

寮生は、私抜いて、みんなで５人の寮生がいる。

正直、みんなカッコ良くて優しくて良い人達だ。

それから何度かみんなと出掛けたりしていた。