パラダイス学園 〜 花月 恭吾 編 〜

ハル

第1話 寮生活

私の名前は、春日 悠菜(かすが ゆうな)。16歳。

家庭の事情により、転校する羽目になった。



春。


入学前。


話によれば元々男子校だったという事もあり女子は1年生からしかいないという情報だ。


私が、寮に向かっている途中の事だった。




「こらーーっ!」




ビクッ

何処からか突然の怒鳴り声に驚き辺りを見渡す。




「部外者立ち入り禁止だぞ!」



スタッと私の目の前に着地する人影。




「きゃあっ!」

「あ、ごめ〜ん。急いでるから」



そう言うと私の前から慌てて逃げるように足早に走り去った。




「………………」



「な、何?びっくりしたぁ〜」




私は寮に向かう。



「すみませーん」

「はいはぁ〜い、どちら様ぁ〜?」



奥の方から声がし誰かが出て来る。


男の人だ。




「あら〜?女の子〜?」



話し方が独特だ。



「誰かの彼女〜?」

「い、いいえ。急遽、○○高校の入学の為、寮生活となった……」


「あー、もしかして春日 悠菜ちゃん?」

「はい!」

「女の子が入寮するとかって学校の方から連絡があったから。どうぞ〜部屋を案内するわね。私、中沢 栄次(なかざわ えいじ)よ」


「はい、お願いします。今日から御世話になります」


「は〜い。宜しくね〜。バス、トイレは各部屋に設置してあるけど、ここの寮、元々、男子寮なのよ〜」


「えっ…!?男子…寮…?」


「そうなの。元々、高校が男子校だったから〜。今年から共学だから〜」


「あー…そうらしいですね」


「まあ、野獣の寮とはいえ、みんなには釘をさしておくわね〜。まだ、寮生のみんなは来てなくて…今日、入寮だから後で顔合わせしましょう」





その日の夜。




みんなと顔を合わせる事になったんだけど――――




《ここは…イケメン寮!?》




かなりレベルの高い男の子達がいた。


中でも一人の人が、ヤバイ!



彼の名前は


花月 恭吾(はなつき きょうご)君。


背が高くて、スラリと伸びた両手足。


まるでモデルみたいだ。




他に


五十嵐 零一(いがらし れいいち)君。


木更木 亮平(きさらぎ りょうへい)君。


桜木 康介(さくらぎ こうすけ)君。


近藤 竜神(こんどう りゅうじ)君。



だけど、花月君に関しては、2回目のような―――



私は花月君を見つめる。



「何?何か言いたそうな顔しているけど」

「えっ?いや…えっと…」

「まあ大体の予想はつくけど…2回目だよね?」



《やっぱりそうだったんだ》



「やっぱり…」



私達は、テーブルを囲みご飯にした。



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