第2話 入学式

数日前に寮生になった私は、元男子校で今年から共学になった所と男子寮に入寮した。


学校に行くと今年から女子はいるものの少ない寄りである。


正直、目立っている中、寮生と一緒に行動していた。


視線が痛い。



「少ないけど、全然いない訳じゃないんだな」


竜神君が言った。




「お前一人やったら笑うてやろうと思うたのにから」


康介君が言った。



「酷っ!」



私達は騒ぎつつ寮生みんなで移動する。


私達はクラスを確認し教室に行く事にした。




「1年間宜しくね!悠菜ちゃん」

「うん。こちらこそ宜しくね!亮平君」




その日の夜。




「今日は、入学祝いよ〜」


栄次さんが言った。


テーブルには御馳走が並んている。



「ヤッターっ!超豪華料理!」と、竜神くん。




男の子は流石に良く食べる。


私が、その姿を見て呆気にとられ箸が止まっていると……




「悠菜ちゃん食べてる?」


亮平君が尋ねてきた。



「えっ!?あ、うん食べてるよ」

「そう?早く食べないとなくなっちゃうよ」

「みんなの食べっぷりが凄くて…呆気にとられて…」


「もっと食って太れ!悠菜」と、零一君。


「酷っ!女の子に対して失礼だよ!零一君」


「どうしてだ?」


「太れ!とか失礼極まりない!禁句!禁句!」


「成長盛り男女は関係ないだろう?運動すれば痩せる!」


「簡単に言わないで!」


「つまりお前は、食べるだけ食べて蓄積して痩せない体質。もしくは運動をしたがらない、面倒くさいと思うタイプ…となればバランスの良い食事を摂り運動すべきだ!」



私と零一君は言い合う。


寮には笑いが起こるのだった。




数日後の放課後の事だった。



「悠菜ちゃん、街、行かない?」


亮平君が尋ねてきた。



「えっ?街?」

「うん。都合が悪いなら日を改めてるけど…」

「行く!」

「康ちゃんも一緒だけど良い?」

「うん、全然良いよ」




私達3人は、街に出掛けた。



本当なら普通の女子高生なら女子と寄り道コース。




だけどあいにく私の通う高校は、元男子校であり、女子が少ない。


ほとんどが部活生やマネージャーで、寮生とはいえ寮は別にある。


部活生やマネージャー。


そして、私がいる帰宅部の寮生と別れているのだ。




私達は、街に行き各々、好きなゲームを楽しんでいる。



「悠菜ちゃん、そろそろ…」

「ごめんっ!もう少し待って!」



UFOキャッチャーのゲームの最中。

スクールバックに付けようと思い挑戦中!


取れそうで取れない可愛いキャラクターのキーホルダーに苦戦中。




「ああーっ!もうっ!」




クスクス笑う亮平君。



「下手くそやなぁ〜」

「悪かったなっ!超悔しいぃぃっ!」



「また、いつかリベンジだね」と亮平君。


「そのいつかっていつ?残り少ないから、この次は絶対になくなってるよ…ごめん…。…帰ろう…」




すると――――



「最初は、グーッ、ジャンケンポン!」



二人がジャンケンをした。



「よっしゃー、俺、後攻や!」

「ええっ!絶対に後攻が良いし!」



そして、私がやっていた、UFOキャッチャーを亮平君がやり始める。



結果、取れず。


次に康介君がやり始めた。




「ヤッター!取ったで!」

「ああーっ!」



騒ぐ二人に笑みが溢(こぼ)れる中、康介君が私にキャラクターのキーホルダーを渡した。




「ありがとうっ!」



亮平君は、へこみ気味のようなイジケモード。



「へこみ気味?」



亮平君に尋ねた。



「…大丈夫…」

「そう?」



《可愛いかも》



私達は帰る事にした。









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