第9話
アリアさんとシーサイドに帰ってきたが、飯がまだだったこともあり、宿屋に併設されている酒場でご飯を頂くことにした。
『今日はまた、濃い1日でしたね。しかし、あのまま放置してきちゃいましたけど、大丈夫ですかね…』
メニューを頼み、飲み物が届いたところで、アリアさんと今日のことを振り返る。
『そうだね。濃い1日だったわね。私は殆ど寝ていたみたいだけど…。まち助けられたわね。本にありがとう。スキームの足を引っ張る可能性はまだあるわね…。あのままじゃセバス達もおいそれと帰れないだろうし、またくるんじゃないかと思うの…』
飲み物をちびちび飲みながら、アリアさんが小さくなっていくようだ…
『そうですか。まぁ来たら来たで訓練の練習相手にでもなってもらいましょう。』
あまり気にした素振りを見せないようにしつつ、フォローを入れてみた。
『ありがとう。スキーム。やっぱり貴方って7才とは思えないわ。なんだか年上の人と話しているようだわ』
まぁ前世と合わせて42才になりましたし、貴方の倍以上は生きた経験がありますからね…
『子供を相手にそれはどうかと思いますが、とりあえず今後の方針でも決めましょう。』
『うん。それでスキームの訓練はどんなことをするの?』
話を逸らしつつ、今後のことを考えていくこととした。
『そうですね。まずアリアさんがどの程度のスキルと、ステータスなのかを確認していただいて、その内容次第で決めていくのはどうでしょうか?』
『そうね。確かに…。でも私のステータスなんか知ってどうするの?訓練はスキルとか、戦闘の練習じゃないの?』
大枠は間違ってないけど、ステータスのカンストを目指さずに訓練して何になるというのか…
アリアさんわかってないなー。
『もちろん。必要な訓練の中にそういったものも含まれますが、ステータスをカンストさせないとレベルを上げた時損しますよ?だからなんのステータスが必要なのか確認が必要なんですよ』
『え?カンスト?なにそれ?』
『あっ、えっとステータスの数字が上限まで達することをカンストと言っています。カウントストップということですね』
ここからの説明が必要なのか…
面倒だなと思ってしまうのは何故だろうか。
『え?そんなことするの?レベルが上がれば、レベルに合わせてステータスが自然とプラスで1000入るわよね?だから必要ないじゃない』
そうそう。レベルが上がる時は今まで鍛えたステータスの他に、1000ポイント各ステータスにレベル分追加されているのだ。
しかしステータス値が小さいままでレベルアップしても上がってからは前の分は取り返せないので、カンストは必須なのだ。
素人はこれだから困るよな…
うんうん。
『それは知っていますが、それ以外にもレベルアップ前のステータスからの値は加算されるので、鍛えておいて損はないと思いますよ?これがあるのとないのとでは、最終的にステータスが倍近く差が開いてしますので、必須です』
『そうなの?それは知らなかったわ。レベルアップすれば格別した力が手に入るのに、そんな必要があったなんて…』
なんとか理解できた様だけど、大丈夫かな?
普通に考えてそうだよね?
俺の常識非常識…。
『てわけです。俺は鑑定を持っていないので、見てあげることはできないのですが、大まかな数値を教えて貰って良いですか?あっ!でももしかしたらできるかも?』
以前職業適性診てもらった時、聖教会の司祭さんの目が光ってたよな?あれって目に魔力が集まってる感じがしたな?
『うん?鑑定はそんな簡単にはできないと思うわよ?あれは先天的に覚えていないとダメだったと思うの。それに鑑定系のスキルは聖教会が情報を独占しているわ』
どうなんだろうか?でもあの目の感じは魔力だったような?出来そうな気はするんだよな…
魔力を目に集めてみる。そして視覚を意識して眼球網膜、眼窩内の視神経を通して…
『うーん。なんか変な感じだな?なんとなく見えそうで見えない。聖教会ってくらいだから、光魔法の属性強化もすれば良いのかな?あっ!!』
【鑑定スキルを取得したわよ。あんた知りたきゃ聞けば良いじゃない。まぁ教えなくてもなんとなくやりそうな気はしてたけど…】
おっステさんおひさー!でもないか…
なんか自分でわかりそうなものもあるし、そういうのを試してみるのってなんか夢があるっしょ。
『なんか鑑定スキル取得できたみたいです。見てみて良いですか?』
『えっ?そんな簡単にできるものなの?私にも教えて!見ても良いわよ』
『分かりました。条件がいくつかあるので、訓練の時に教えますね。じゃあ失礼して…』
ステータス
名前 アリア・フォン・アカリメ
種族 人族 年齢 16 レベル 1
HP 150
MP 100
筋力 58 丈夫さ 55 素早さ 89
賢さ 90 精神力 35 器用さ 51 運 15
スキル
ステータス閲覧 礼儀・作法 剣技Ⅰ 盾術Ⅰ
魔力操作 身体強化 魔法(水、風、生活)Ⅰ
称号
お転婆姫(家臣から逃げる時にステータス小補正)
こんなにはっきり見えるものなの?それとも俺が変なの?こんなにはっきり見えたら、司祭さんはもう少し違う判断をしたのではないかな?
【そうそう。あれは鑑定じゃなくて、あれは査定のスキルね。あんたみたいにしっかり見えるのは、そのスキルを得た奴だけよ。あとはあんたの魔力操作が化け物じみてるのよ。精密すぎるわ』
そんなこと言われても、視神経とか意識すると目だけの強化じゃダメだとか思うし。
『軒並みステータスが低すぎますね…。これは相当訓練が必要です。しかし良かった。こんな状態でレベルアップするのなんて勿体なさすぎる!』
『え?そんな低いかしら…。素早さと賢さはもうすぐ999に届くのよ!かなり優秀な方でしょ!他はまだダメかもだけど…』
『えっと、もしかして最大値って99だと思ってません?もしかしてこの世界の人はそう思ってるんですか?』
『なにを言ってるの当然でしょ!?まぁ奇跡的に100を超えた騎士なんかもいたわね…。でも少数よ!だいたいこの辺りでレベルアップを図るのが、通例だと思っていたけど、違うの?』
こりゃやばいな…。かなりの重症だな、この世界の人々は。面倒臭いから説明も後でいいか。
『えっとですね。最大値は999ですよ』
アリアさんが驚愕の表情で固まっている…。まぁ無理もないか…
というかこちらの世界の人達今まで、なにをやってきたんだ?
王族レベルでこれだと、大分痛いな…
鍛えなさすぎて、7レベル以上いかないんじゃないのか?
まぁ後は何か別の理由があるのか…
『そんなことが…、じゃあこれまでの先人達はなにを…』
『えっと、それについてはわからないですが、事実ですので、そこを目指して頑張るということで良いですかね?』
若干放心状態のアリアさんだが話を進めていく。
『え…、ええ。それでお願いするわ。私は誰にも馬鹿にされない立派な冒険者になりたいんだから』
気持ちの確認も出来たし、大丈夫かな?
それじゃあ飯もきたし、ご飯食べて明日に備えよう!
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