第5話

家族と離れて暮らす事を決めてから、ステさんと相談し、今の俺でも生活出来るようなところはないか教えてもらい、アセアン大陸にある。ポンジャ帝国というところを目指す事にした。

この世界では15才で成人だ。成人すると得られるのは前の世界でも変わらない。制限の解除と、モンスターを公に狩り行っても咎められることはないということ。

しかし、俺はまだ7才だ。こんな俺でもやっていけるのは、実力主義国家くらいしかない。そこは多種族が闊歩し、職業による差別はその国でもあるが、実力主義で実力さえあれば、誰もが認めてくれる。

そんな国は他にほとんどなかった。

これがこの国を選んだ理由だ。


今俺はユーシア大陸アカリメ王国、隣国のシェパード港国に来ている。

ここから船で3日のところに目的地はある。

なのでこれから俺は船に潜入して、アセアン大陸のポンジャ帝国へ向かうところだ。

ここまでなんとか食い繋いできたが、あと3日待つかどうかだな。

夜になり、アセアン大陸に向かう船に当たりをつけ、なんとか侵入に成功した。


『ふぅー。なんとか乗れたな。それにしても腹減った…』

『そうね。お腹すいたわね。そこの木箱に果物が入ってたわよ。食べる?』

『おっ。悪いな。ありがとう。どの箱だ?』

『その箱よ。でもそれは多分商品だと思うから、食べすぎちゃダメよ?』

『親切だな。ありが…?え?すすす、すみません。悪気があって忍び込んだんじゃないんです。許してください』

『どうしようかしら?この船に乗り込むとは良い度胸してるわね?ふふっ。

なんてね。私も忍び込んだ方なの。ごめんごめん』

『はぁー。良かったぁー。船員にバレたのかと思ったよ…』

『でもダメよ。あんな風に油断してしちゃ、この船に乗ってるのはあなただけじゃないんだから、それにしても坊やはいくつ?ご両親はどうしたの?もうすぐこの船は出るから、もう降りないとダメよ』

『えっと、言わないとダメですか?俺はこのまま、アセアン大陸に行きたいんだ』

『ご両親と喧嘩でもしたの?それとも兄弟喧嘩?だめよ。生きているうちにしか仲直りも出来ないわ。帰りなさい』


やべー、面倒な人に見つかった。ここは正直に話したところで、まぁ面倒臭い感じになるだろうな。

しかしこの人美人だな。年は10代後半くらいか?こっちの世界は美系が多いな。


『俺には帰るところなんてないんです。だから俺はこのまま行きます』

『そう…。それはごめんね。なにやら辛い事を聞いてしまったようね。じゃあ私が面倒見てあげる』

『えっ?一人で大丈夫です。お姉さんにも迷惑かかるし…』


俺としては願ってもないチャンスだが、後ろ盾がない間は野宿しつつ、一人で生計を立てようとしていたので、助かるが俺は無職だ…。

家族でさえ、あんなに迷惑をかけたんだ…。

他人に迷惑はかけられない…


『なにを言ってるのよ。子供のことを大人が気にかけるのは当然よ。それにあなた一人で向こうに行ってもろくな生活できないわよ。お姉さんに任せなさい。こう見えてもお姉さんは冒険者よ?レベルも、もう少しで上がるところなんだから!凄いでしょ?』

『優しいんですね?お気持ちは嬉しいです。モンスターとまだ戦ったことがないので、よくわからないですけど、レベルアップは凄いんですよね?』

『それはわからないか、私は今16才なんだけど、成人して一年でレベルアップできる人間なんて本当少数なのよ?まぁ坊やはまだ子供だからその辺もわからないか…』

『そうですね。知識は得られてませんね。俺は学校にも行けないでしょうし、今後は自分の力で切り開くしかないし…』

『うん?ちょっと待って、学校はどこにでもあるし、どこの国の学校でも職業適性に合わせた授業も12才からやっている筈よ。お金がなくても奨学金があるわ』

『いや、行けないんですよ。言わなきゃダメですか?』

『無理にとは言わないけど、知りたいわ。』

『はぁー、じゃあ他言無用でお願いします。職業適性が無職なんです。これで分かりましたか?このせいで家族とも離れて暮らす事にしました。無職でも僕は困らないです。でも家族は…』

『え…無職なんてそんな…。辛い思いをしたのね…。それは学校も受け入れは難しいでしょうね…。無理に聞いてごめんなさい。でも安心して、私はあなたのことを面倒見てあげるから、もちろん、他言しないわ』

『なんで、こんなあったばかりの俺にそこまでしようとするんですか?あなたになんのメリットもないでしょうに…』

『こんな子供を見捨てたら、寝覚めが悪いからよ』

『お人好しなんですね…。いつでも見捨てて頂いて構いませんから』

『そう。じゃあ宜しく!私はアリアよ。あなたは?』

『スキーム。7才です』

『7才…、しっかりしてるから10才くらいかと思ってたわ…宜しくね。スキーム』


そして変な出会いから、アリアさんとともに過ごすこととなった。

船員にバレることなく、3日ほどでアセアン大陸、ポンジャ帝国へと密入国を果たした。



『ついたわね。スキーム、とりあえず寝床を確保するにしてもお金が必要だわ。申し訳ないけど、私手持ちがないのよ。まぁ密入国してるから、わかるでしょうけど…。それはまぁご愛嬌ということで…。

帝国には数多くのダンジョンが存在しているわ。そこでモンスターを退治して、ドロップ品を回収。それを売って当分の資金としましょう』

『だとは思ってました。まぁ船の荷物から頂戴した。果物もまだ沢山あるんで、食べ物はなんとかなりますけど、ダンジョンですか。(ダンジョンか、夢が広がるな。ドロップ品が売れるなら俺一人でもやっていけるか?でも子供からドロップ品を買ってくれるかは分からないか)』

『確かこの近くに手軽なダンジョンがある筈よ。子供を連れて入るわけにも行かないから、あなたは外で待っててね』

『そうなんですね。行きましょう』


そして港から歩いて1時間程進んだ。そしてダンジョンにたどりついた。


『ここがダンジョンですか。凄いなんか洞窟みたいですね。誰も入り口の前に立ってないですけど、大丈夫なんですか?』

『帝国ではダンジョンは沢山あるの。数が多い分手が回らないところはいくらでもあるわ。ここは港から1時間で都市からそんなに近くないし、あんまりここは知られてないみたいだから平気なのよ。じゃ、行ってくるわね。お利口にしてるのよ』

『はーい』


返事はしたものの、そのままアリアについていく。だって俺は了承はしてないからな。


『ハイ。ストーップ!なんでついてきてるの?危ないからダメ!遊びじゃないのよ。中にはモンスターがうじゃうじゃいて、死と隣り合わせなの。もう戻りなさい』

『いや、行きますよ。僕は強くなるためにここ帝国まで来たんだ。こんなチャンスは無駄にしません』

『はぁー。男の子ってこれだから嫌!馬鹿ね。わかった。これも社会勉強ね。私から離れないのよ』

『それは状況によります。行きましょう』

『なに勝手に行こうとしてるの?おとなしくしてるのよ?』


そして洞窟内を進むこと1分ほどで、大部屋に出た。洞窟型のダンジョンで岩肌が剥き出しで、無骨な感じである。そして部屋の隅には数体のモンスターがいた。

緑色の肌で薄汚れた布を腰に巻き、何か喋っているようだ。


『グギャギャ、グギャー』

『グギャー』


あっ!なんか肌の色の違うのが一体いるな。あれがリーダーな雰囲気が出てる。普通の色のが5体と少し色が青くて、体格がいいのが1体か!それにしてもこれがゴブリンか!生ゴブリンだ!!モンスターとの初遭遇で浮かれている俺とは対照的に、アリアが大きく口を開き驚いている。


『えっ?なんでこんな上層にゴブリンリーダーがいるの?あれは不味いわ。撤退よ!』

『あっ!こっち見てますよ。気付いたみたいです』

『え?不味いわ!スキーム逃げて!私が足止めするわ!』

『多分、大丈夫だと思います。見ててください』


そして俺は手を前に突き出すように両手を出して、拳大の火の玉、水の玉、風の玉、土の玉、雷の玉、氷の玉を無詠唱で魔法を繰り出した。

そしてそれをゴブリングループに向けて放った!


『えぇー!!嘘!どういうこと?無職なのでしょう?魔法を使って六属性同時?しかも無詠唱!この子はなんなの?』


何かとなりで騒がしいが、ゴブリンリーダーはボロボロだがなんとか生きているようだ。


『グギャ…、グ…ギャ』


なんか言っているが、苦しそうだし楽にしてあげよう。

俺は身体に魔力を纏い、身体強化すると、手先から魔力を鋭利にしたものを伸ばし、一気にゴブリンリーダーの首を落とした。

すると倒れたゴブリンリーダーと、取り巻きゴブリンから、光輝く何かが俺に向かって飛んできて身体に吸収されていった。


『なんだこれ?力が湧いてくる感じがする』

『え?なに…、どうなってるのよ。一瞬で片付くってどういう…。本当にあんた子供なの?』

『初めての戦闘で良くわかってないが、子供ということは間違いない。生まれてまだ7年とちょっとだ。しかし凄い感覚だ』

『とりあえず、ありがとう。助かったわ…。これは私が拾われたようなものね。とりあえずドロップ品を拾いましょう』


促されて、先程まで自分に届いていた光が収まると、緑色の半透明な小さな石が5個と、青と緑色の半透明な石が一つ先程まで死体があった場所に残されていた。


『これがドロップ品の魔法石よ。これは魔石とも呼ばれていて、人々の生活を豊かにするための資源でもあるの。この程度の魔法石で銅貨2枚分で、こっちの大きなので、銀貨一枚分かしら?だから全部で銀貨一枚と銅貨10枚の稼ぎになるくらいかしらね』

『へー、これが金になるのか。俺が持っていっても買い取って貰えるのか?』

『多分足元見られて安く買い叩かれるわね。売る時は私と一緒が良いわ。それに子供なのに、モンスターを倒したとなると、衛兵に事情聴取を受ける可能性もかるから…。一応これは私が倒した事にするけど、良いわよね?』

『それならそうしてもらいたい。しかし、その程度のお金で足りるのか?』

『足らないわ。まさかこんな上層にゴブリンの上位種がいるとは思わなかったけど、もっと集めないと、当分の資金は足らないわね。どうする?まだ進んで、もっと集めるでも良いかしら?』

『ああ。そうしよう。戦闘は俺に任せてくれて良い』

『なんだか子供に頼る私ってなんなの?』

『適材適所だよ。アリアさんもっと経験を積みたいし、丁度いいと思うんだ。宜しく頼む』


その後もゴブリンと何回か遭遇して、光が自分に吸収されていく、変な感覚を覚えながら、魔石を回収していく。

部屋を出てしばらく歩いていると、今度はウサギを大型犬くらいまで大きくした感じで、額から角が生えたウサギが迫って来た。


『アリアさん。あれはホーンラビットですか?』

『あんな大きなホーンラビットは見た事ないわ。多分ビッグホーンラビットよ。またこんな上層じゃいない筈のモンスターだわ。何かおかしいはこのダンジョン…』

『そうですか…、またやってしまって良いですか?』


そう話かけながら身体を身体強化していく。今度は純粋な魔力だけではなく、風魔法を見に纏いながら強化していく。


『あれはダメよ。ゴブリンとは違って、とても素早い動きで襲ってくるの。先程のようには行かないわよ…。撤退して…』


何か悩んでる様子だがやれそうなのでやってしまおう。と思い、先程よりも数段素早い動きでビッグホーンラビットに迫り、そのまま風の刃を手から伸ばして首を落とした。全く反応もみせず、また光となって俺に吸収されていく。


『え?属性強化?どうなってるの…。』

『やっちゃいましたけど、良いですよね?』


死体があった場所にはウサギ肉?と魔石が残った。


『スキームは本当に無職なの?どうして魔法スキルがつかえるの?』

『スキルは訓練すれば、誰でも覚えられるんですよ。だから魔法もその他のスキルも使えますよ。これは確かな情報ですよ。なんて言っても無職が使えるんですから、それよりも肉と魔石落ちてます。回収回収』

『あなたそれ、世界に激震が走るような情報よ。そんな情報が出たら、国は…大陸は…。スキーム誰にもその情報流してないわよね?誰にも言ったらダメよ?』

『ふふっ!本当アリアさんって面白いですね。俺がいう事すぐ信じてくれるし、お人好しですね。でもそんな必要はないですよ。そろそろ各大陸の有力者には神託が届いていても良い筈ですし、今まで一定の国の王族などが隠蔽したり、失伝して、一般人や、失伝した国は知らないだけみたいですから…

これで僕の立場も少しは改善してくれると良いけどな…』

『な、な、なに?なんでスキームがそこまで知っているの?あなたは…、いやっ、貴方様は神様なのですか?』

『え?変な勘違いしないでくださいよ。俺はただの無職です。神様から頼まれごとされてるだけだから、そんな大層な存在じゃないです』

『神様ではなく、御使様だったのね。通りで…。

あっ!今までの非礼をどうかお許しください。すみません。すみません…』


この人今度は土下座始めちゃったよ。

忙しい人だな…


『アリアさん。そんな大層なもんじゃないですよ。気にしないでください。今まで通りでお願いします』

『そんなわけには…、でもスキームが良いって言うなら良いか』


立ち直りも早い…


『とりあえず、ダンジョンでドロップ品を集めましょう!』

『そうね。そうしましょう。でもこのダンジョン様子がおかしいわ。前に来た時はもっと美味しいところだったのに…。上位種がこんなポンポン出るのは異常よ。スキームがいればなんとかなりそうだけど…』

『その辺は任せていただければ、というか試したい事まだまだありますし、どんどん行きましょう』


そして、ダンジョンの中にすすんでいく。

今度はゴブリンでかくしたような、豚鼻のやつが10体ほどいる。みんな見た目一緒だし、上位種はいなさそうだな。アレを試してみるか。


『お、お、オーク。あれはダメよレベル3以上じゃないとあの再生能力を突破して倒せないの。今度こそダメだわ。このダンジョンおかしいわ。てっ…』


アリアさんがまたなんか言ってたけど、まぁ良いから、今度は雷魔法を身体強化に混ぜ込んでっと…、ビリビリくるなー。

バチバチ、バチバチ…

風魔法の時よりもさらに早く動き、オークに迫る。

オークがこっちに反応したけど、右手はオークの背中に触れて左手は横に突き出す。

位置交換!!


すると左手には拳2つ分くらいの魔石が掴まれ、オーク一体が膝から崩れるように倒れた。

おっ、心臓じゃなく魔石が取れた。これは心臓の役目は魔石が成してるんだな。オーケー。

じゃんじゃん行こう!

すると周りにいたオーク達もそれに気付き、雄叫びをあげた。


『『『『『『…ブモォー!!』』』』』』


オーク達は俺の動きが見えていないようで、背中に触れて魔石を位置交換で抜き出しを繰り返して、10体の死体が出来上がり、俺に光となって吸収されていき、最後には肉と抜き取った魔石を残して消えていった。


『ふぅー。終わった。大分経験値がかせ…、あれ?身体が凄い熱い…』

【レベルが上がったよ。おめでとう】


久しぶりのステさんの登場だ。ステさんレベル上がったの初めてだけど、なんかある?


【そうね。魔法スキルがレベルアップしたわね。魔法スキルはレベルと比例して上がる仕組みになってるから、全部Ⅱになったわ。まだ覚えてない魔法スキルもⅡまではあげられるようになったわよ。しかし、上がるの早いわね。なにを倒したの?】


オークを10体と、ゴブリン5体、ゴブリンの上位種1体、ホーンラビットの上位種1体の戦果だよ。

こんなんで上がるんだね!


【あんたよく生きてたわね。オークはレベル3以上での討伐推奨で、ゴブリンとホーンラビットの上位種は2レベル以上での討伐推奨よ。なかなかやるじゃない】


あんまり苦もなくやれたから、なんとも言えないけど、スキルとの相性がいいんじゃないかな?それに生き物の重要機関って前世の知識で、ある程度わかるしね。

じゃあ撤退しないとまずいか。

また訓練しないと、変なタイミングでレベルが上がったらもったいないしな。

ステさんステータス確認する。

ステータスオープン!


ステータス

名前 スキーム

種族/人族 年齢 7 レベル 2

HP 1+α MP 1+α

筋力 1 +α 丈夫さ 1+α 素早さ 1+α

賢さ 1+α 精神力 1+α 器用さ 1+α

運  1+β

α=999 β=100

・スキル 

ステータス閲覧 言語理解

ユニークスキル無詠唱

魔力精密操作・循環Ⅰ 状態異常耐性Ⅰ

自己再生Ⅰ 並列思考 気配遮断 身体強化 

属性付与 探知・索敵

魔法(火、水、風、土、氷、雷、光、闇、空間)Ⅱ

消費MP本人依存

・ユニークスキル 

位置交換Ⅴ(消費MP5〜100)(自身から半径10メートル以内でも有ればどこでも位置交換可能。交換には具体的なイメージが必要、最大で三つまで)

ステータス対話 幸運

・称号

気狂いドM(訓練により筋力・丈夫さ・素早さ値上昇補正)

初めてステータスと対話した者(ステータスと対話が可能になる)


表示が変わったか?ステさんなんで?

【レベルが上がってスキルが変化したのもあるわ。あとは創造神様が有力者に神託を届けた際に、今までこの世界の民が、職業や使用回数などに拘って驕りを生むような結果になっていたのではと考え、少し趣向を変えたそうよ。職業適性なんてものも無くなったようね。これであなたも、あなたの家族も随分動きやすくなるのは確かね。そして万人に万人のスキルの偏りもなくなるわね。その人の思うように自分の生きる先を考えやすくなるわ。ただ個人個人で得意、不得意があるように、覚えやすいものも、そうでないものもあるようね】

いや、いきなり思い切ったな…創造神様。

あの時の俺の苦労や悲しみは…

家族と生き別れた意味は…

まぁ生きやすくなったことは確かだな。しかし創造神様はそんなにこちらの世界に干渉して平気なのか?何か制限がどうとか言ってたような気が…

【それは私たちも思っていることよ。でも創造神様のお考えになっていることも、今回の崩壊へ進んだ原因を排除するためには必要よ。あなたや家族には迷惑をかけたわね。だからあなた達家族には幸運のスキルを授けたわ。何かの際には役立つはずよ。それと今回の干渉によって、この世界の崩壊へのカウントダウンが始まったわ。あと20年もすれば邪神が復活して、この世界の大半が失われることになるわ。だから頑張って人間の器を昇華…

あっ!今のは聞かなかったことにして!とりあえず今は世界規模で大混乱が起こっているわ。まぁ頑張りなさい】

おいおい…

突っ込みどころ満載なコメントどうも…

どこから拾っても墓穴掘りそうだからスルーしとくよ。邪神とか…昇華とか…、機密性の高そうな情報ポンポン出して…

知りたくない…

【まぁあれよ。あんたも創造神様と関わってるわけだし…。良いわよね?応援してるわ。じゃないとどの道、あんたも私も死んじゃうだろうし…】

え?俺死ぬの?嫌なんだけど…

まぁ旅は道連れか…

なんくるないさー…


閑話休題



『……ねー!ねー!スキーム!無視すんな!』

パコン!

『いったい!あっ。ごめんなさい。考え事してました。今レベル上がったんですよ』

『えーっ!抜かれた〜…。でもあんなに簡単にオークも上位種も倒すんじゃ当然よね…。あんたスキルも凄いし、無職なんて信じられないわ…』

『あっ!そういえば職業適性なくなったみたいですよ?それと経験値とかも…、外は凄いことになってるでしょうね。ステータス閲覧スキルあります?』

『あるわよ!なっ!そんなわけないで…。嘘…!

無くなってる。なんで?』

『それは知らないですよ。このシステムを構築した神様くらいしか、分からないんじゃないかと思いますよ』

『なんで落ち着いていられるのよ。スキームは初めから関係ないのか…。ごめん。でもでもこれで学校も何も気にせず行けるじゃない!良かったわね。あと5年で学生にもなれるわ』


またお人好しになってるよ…

この人いい人だけど、簡単に騙されたりしそうだな……


『とりあえず、一度ダンジョン出ましょうよ。これだけ有れば、お金に少しはなりますよね?』

『そ、そうね。全部スキームの手柄だけど、オークの肉と魔石が10個ずつで…、魔石でオークのだと銀貨5枚、肉が銀貨5枚だから、全部売れば金貨一枚分ね!これなら、贅沢しなければ二人で3ヶ月くらいは行けそうだわ。ありがとうスキーム』

『わわっ!急にそんな!』


アリアが急に抱きついてきたので動揺した。この人はもう…。


『ははっ!スキーム照れてる!可愛い…(でもこんな子があんな力を持っているだなんて、今後も心配ね。何かに巻き込まれないように見ていてあげないと)』


俺は初めてのダンジョンを体験とレベルを経て、港町へと戻っていった。
















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