位置交換スキルで最強冒険者に俺はなる(仮)

@bayrulaz

第1話 

俺は古根川康貴(コネガワコウキ)35歳の独身のオッサン。

いつも『異世界転生できねーかなー』なんて考えながら生活してるオタク看護師。

今日も朝から晩まで、オペ室でうるさい医師や、上司に辟易しながら業務をこなした。

さぁ今日も業務乗り切ったし、ラノベでも読みながら帰るかね。なんて考えながら病院から帰宅途中


『おい!古根川今日もやられてたなー!?可哀想に!鬱憤晴らしに飲んで帰んねーか?』


こんな感染症流行ってる時期に、飲みに誘ってくる先輩…

嫌いじゃない…

しかしこんな情勢で飲みになんて行って感染した日にゃ目も当てられない…

サクッと断って帰るかな…


『先輩お疲れ様です。飲みいきたいのも山々なんですけど、今日は早く帰って寝たいんで帰りますわ!誘ってくれて…』

『おい!あぶねー!!』

『えっ!』


キュキュキューーー!!

ガッシャーン!!




それが俺の最後の記憶、当たりは真っ暗で何もない、しかし何故か意識だけは取り戻した。


『なんだこれ?俺死んだ感じ?あっけねーなー?死んだら異世界いきてー!なんて思ってたけど死んだら、こんなもんか!ははっ…』


『ピピ……異世界転生への思い一定数値を観測しました。異世界転生しますか?』


なにやら機械的で怪しげな声が聞こえた。しかし、異世界転生できるならと、後先考える間もなく

『イエス!』と答える俺!


『異世界転生希望受諾しました。これより異世界転生実行します』


なにやらまた機械的な音で俺に返答があり、白い光に包まれた。


『あれ?ここでスキル選んだり、なんかチート貰えたりするんじゃないの?このまま転生?え?ハード系の転生なの?やば、やばくねっ!記憶引き継ぎとか、言語理解とかそういうのないの??おーまーいがー!!!』

ピピッ

『伝え忘れましたが、特にそういったことはございません。現地にてご確認ください…

聞こえませんでしたね。残念です。

この喋り方疲れるのよね。まぁ国民のために頑張って働いていたようですし、記憶だけは残しといてあげましょう。言葉は…まぁなんとかなるでしょう!てへベロッ!』


先ほどまで機械音のような音だったものが、突然に感情が入り人間?の様な話し方に変化して、聞こえてない相手に話しかける様に呟いた。少し同情心が芽生えたのか、自己の失敗への罪悪感からなのか、少しのサービスを加えられた。


そんな扱いで異世界転生してるとはつゆ知らず、俺は異世界転生を果たすのであった。



ここは五大大陸の一つユーシア大陸にある。とある国のとある町の至って普通な一般家庭。今日はここで新しい生命が生まれた。


オギャー!オギャー!オギャー!

『×○△!@/#/&&CFh!………』

うん?ここはどこだ?何言ってるかさっぱりだけど、俺は無事転生したのか?

目の前には、ぼやーっとした影?のようななんなのか、わからんものが音を発してるが、よくわからんな?あれ?俺記憶残ってるんだけど、ラッキー!また、なんか違う影のようなもんが近づいてきたぞ?

なんだなんだ!?

『@lmqtlahm/#!ad/hj/afy×○186gm!…』

さっぱり何を言ってるのかわからん。

『あう!あう!』

おっ!声は出るな!発声ができるということは人間?いや、人の形をしたものとして生まれたのは間違いなさそうだ。手と足は動くには動くが、うまく動かせないな。とりあえず手と足は2本ずつありそうだ!良かった!これは人族確定かな!?

言葉がわからんのは痛いが記憶があるのはありがたい!意外とサービスいいじゃん!

なんて思っていると…


【ピピッ!言語理解スキルを獲得しました。スキルをアクティベートしますか?】



頭の中に響き渡る機械の様な声が聞こえる!

おっ!異世界転生あるあるのスキルはあるみたいだな!これは幸先いいな!この世界がどんなかわからんが、期待が持てそうだ!

スキルゲットだぜ!!

どこかのポケットの中にはいるモンスターを捕まえる様な話の主人公バリに心で叫んだ。

そして、もちろん答えは…イエスだ!心の中で答えると…


【ピピッ!了承確認しました。アクティベートします】


これで声が理解できるな!安心だぜ!異世界最高!


『あー!よく生まれてくれたわ!なんて可愛い子なのかしら、生まれてきてくれてありがとう。大切にするわ。トム!名前は決まっているの?』


おっ!いきなり言葉理解できる様になったな!さすがスキル!便利すぎるぜー!

この声は母親か、この温かく包み込んでくれる感じ、そして言葉かけ、俺はいい家庭に生まれた様だな!望まれた子の様で良かった!

前世では望まれない子とかいたもんな…

世知辛いことまであるしな…


『おおー!可愛い子だ!男の子か!メアリーよく頑張ってくれたね!お疲れ様!では名前はケーティはどうだろうか?中性的な感じもするが、可愛いからいいだろう?』


おっ!これが父親の声か、なかながダンディでいい声しているな!

しかし女の子みたいな名前になりそうだぞ!

大丈夫か?名前次第じゃ、イジメとかもあり得るんじゃないか?


『ちょっとトム!さすがそれはないわ。この子が名前にコンプレックスをもったらどうするの?もうちょっとカッコイイ名前にしてあげてよ!』


おっ!さすが母親だ!わかってるー!ここは同意の返事をしておこう!


『あう!』


『ほら、トム!この子も嫌だって!何か他にはないの?』


『うーん。どんなのが良いのだろうか?困ったな…』


これは難儀する感じか?俺は男っぽい名前だったらなんでも良いんだかな?

すると何やらどこからか音が聞こえてくる。

ドタドタドタ…

バタン!


『ママ!生まれたのはどっち?男の子?女の子?』


『あら!ショーン!生まれたのはあなたの弟よ!今日からあなたもお兄ちゃんね!弟と仲良くするのよ!?』


『うん。やった!弟だ!可愛い!僕も触っていい?』


『良いわよ!でもまだ抱っこはできないからね?』


『はーい!』


どうやら俺には兄貴がいる様だ前世では兄貴がいなかったから、嬉しいな!ところで俺の名前はどうなるんだ?親父!!早く決めなくてもいいから、良い感じのを頼む!


『パパ、名前はもう決まったの?』


『いや、まだ決まっていないんだ!困ったな…。ショーン良い名前はなんかないか?』


『パパ僕が決めて良いの?』


親父…、息子に決めさすのも一考だが、いいのか?それでいいのか親父様よ!


『ショーン。パパは優柔不断だから決め兼ねてるのよ。ショーンから出た名前で良いのがあったらそれにするから、何かカッコイイ名前ある?』


『そうだね!じゃあハイブリッジなんてどう?』


いやいや、兄貴よ!それは日本て幅広く使われている苗字を英語読みにしただけだからな…

こっちでは英語なんてないだろうが…

是非ともやめて欲しい。親父、お袋よ!頼むやめてくれ!


『なかなか、カッコイイわね?でも長くないかしら?トムはどう?』


『む?うーん。ではスキームなんてのはどうだ?』


おっ!親父様よ!それはいいぞ!カッコいい名だ!それ採用!それにしてくれ!


『あう!』


『あら、この子もそれがいいみたい!じゃあ今日からこの子はスキームで決定ね!』


『うん。僕もそれがいいと思う!パパさすがだね!』


『良し!これでパパの威厳は保たれたか!?』


親父、威厳は保たれたぞ!良かった!そして俺も良かった!涙

危うく前世であればイジメられていたであろう名前は回避だ!助かったぜ!

するとまた頭の中で、先ほどと同じ機械音の様な声が響く。


【ピピ!あなたの名前が決定されました。これによりユニークスキルが選定されます…

ダラダラダラダラダラダラ…ジャン!!

ユニークスキル位置交換が選定されました。

ユニークスキル取得しました。】


なぜドラムロール…

これは前世の記憶が影響しているのか?それとも俺が特別なのか?謎だ。

しかしなんともよくわからんスキルだ。位置を交換とはそのままなのだろうか?

これ、もしかしてハズレスキル…

ヤバい…

生後1日目にして前途多難な予感がするのだが…

やっぱりハード系の異世界転生なのか…

怖い、怖すぎる…

前世の様な板挟みの職業や位置には立ちたくない…

そもそも病院があるのかすら怪しいが…

と考えるとなんとかなるのか?

まぁなる様になるか。


『じゃあこれから宜しくね!スキーム!お兄ちゃんのショーンだよー!』


ああ!こちらからも宜しく頼むぜ、兄貴よ!


『あう!』


『あらら、返事してるのかしら?この子は天才かもしれないわ?将来が楽しみね。スキーム、ママのメアリーよ。宜しくね』


『スキーム、パパはトムだぞ!いっぱいおっぱい飲んで大きくなるんだぞ!』


『あう』


おう。宜しく頼むぜ!お袋、親父!なんだかこの歳になって面倒を見ていただくのも申し訳ない気持ちがいっぱいだが…

あっ!こっちでは生後1日目だもんな…

仕方なし…

しかし見ず知らずのオッパイ…

ダメだ!ダメダメ!母親だぞ!狂ってるのか俺!?

正気になれ!

また、そんなこんなアホなことを考えていると、頭に慣れつつある機械音の様な声が響く。


【ピピッ!状況を確認。異世界転生完了しました。成長補正がかかります。視界補正します。

任意にてステータス確認可能です。確認時はステータスオーブンと念じて下さい。

尚これにてチュートリアルを終了します。】


おーう!急に視界がクリアになった!お袋は茶髪で綺麗な顔立ちだな。目はブルー。親父は真っ赤な髪に黒目でかなりのイケメン?可愛い顔してるな?この顔であの声!ギャップ萌えー…親父にするわけない。違和感はそのうち慣れるだろう…

兄貴は赤味が強めな茶だな。目はブルーとお袋似だな!こりゃイケメンだ!

この感じは俺も期待して良さそうだな!ふふふっ…

前世では中の下、なんなら下の上くらいの下から数えた方が早いくらいの残念顔…

そして薄毛だったからな…

親父は髪の毛濃そうだし、心配無用だな!良かった…心より!!

そしてついに出ました!ステータス!!異世界といえばこれでしょ!落ち着いた時にでも確認しよう!

そして…

いつからチュートリアル始まってたの?説明なんもなかったよね?俺知らなかったよ?というかそんな機能ついてたのね!ビックリだよ!

しかも強制終了…

ヘルプ機能もない様だし…

探っていくしかないか…



そしてそのあと、問題なくお袋のおっぱいを堪能?いやいや、言葉のあやな!

必要なことだよ?おっぱい!大事!

もう一度言う大事!!

そんなこんなで、赤ちゃんである俺は眠りにつき、生後1日目、異世界転生1日目は問題なく過ぎていった。







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