語々の茶請け

語る茶釜

今は過去 卯木の栞 借りたまま

「ねぇーおばあちゃん その花のしおりずっと使ってるけどほかのにかえないの?」


「ん~ 変えないかね~ これにはこれである男の子との思い出があるからねぇ」


「えー どんなどんな?」


「まだお前さんには早いよ」


「なんでよぉー 私もう5才だよ いろいろわかるもん おしえてよー」

ガタッ

「分かった分かった 

 昔ね おばあちゃんが学生だった頃にね~...


~ 昔 ~



 図書室に入り浸っていた私は変な先輩と会話をしていた


「貸して頂いてた本読み終わりましたよ。」


「おーそうかそうか どうだった?」


「先輩の本の割には、私好みの本でしたよ。」


「割には、てなんだよ 割にはって

 その割には気に入ったみたいだな。その本」


「切り返しかたがうざいです先輩。」


「お、おう 急に厳しいなおい」


「先輩に対してなので大丈夫です。

 あとこの栞が挟まってたので返します。」


「あーこの栞かー 丁度いいだろこの本に

 卯木のな花言葉は‘古風’なんだよ。

 なんかいいだろこう言うの よくないか?」


「確かに丁度いいですねこの本には

 先輩には 似合いませんけど。」


「ねぇやっぱりさっきから厳しくない?」


「気のせいですって

 別に先輩がどんぴしゃで私の好みにあててきたのがうざい訳では無いです。」


「それじゃん、絶対それじゃん ねー許してよー

 その栞あげるからさ~」


「嫌です(ニッコリ)」


「なんでそんな笑顔なのよ 逆に怖いよ」


「この私に向かって怖いとは何を言ってるんですか

 せ・ん・ぱ・い?」


「すいませんでした。


~ それから数ヶ月後 ~



「先輩、卒業式お疲れ様です。

 でもいいんですか、ここに来てて」


「お前が呼んだんだろ図書室に

 後、いいんだよ俺はクラスに居るよりかは」


「そう言えば、最後なので返しておきますよ。この栞。」


「いいよお前が持ってて、

 花言葉どうりなんだからさ」


「何ですか。私が古くさいとでも言うんですか?

 最後だからってふざけるんですか?」


「違う違う そうじゃそうじゃない」


「やっぱりふざけるんですよね」


「あっ... すいません。違うんっすよ」

 

「なんですか先輩」


「あのな花言葉にはもう一つあってな…

 うん、やめとこう」


「何ですかもう一つのって

 キリキリ吐いてください。時間ないんで。」


「マジじゃん。じゃ俺帰るんで

 結構楽しかったぞ俺は ではたっしゃでな~」


「マジで帰りやがったよ、伝えたいことも言えて無いのに…バカ…」



「そう言えばもう一つってなんだろう

 ‘秘密’??なんで?」

……あっ…なんだ先輩もだったんだ…


「うふふ、絶対に借りたままでは終わらせませんよ

 待ててくださいね。先輩。」



~ 今 ~

「えーこれでおわりー?

 せんぱいはどうなっちゃたの?」


「ふふふ、それは‘秘密’」


~ 扉の向こう ~


「なんてこと孫に教えてるんじゃ ばーさんや」










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