異次元レベルのバフスキル【支援職人】で俺たちは最強のパーティになる〜サポーターなんて必要ないって言ったのにそんなモンスターも倒せないのか、Sランクなのにステータス低いんじゃない?〜
そー
第一章【出会い】
一話 終わりの始まり
グオオオォォォ……ッ!!
目の前に存在するドラゴン種。
全体が黄土色で、大きな両翼が特色の<ブリッツワイバーン>から、断末魔であろう咆哮が辺りに響いた。
「やったか!」
誰かの声が聞こえた、いや……誰かじゃなくて俺の、このパーティ全員の声だった。
俺たちは動かなくなったブリッツワイバーンを警戒したまま、一分程度か十分も過ぎたのか、時間は曖昧だったがじっと見つめている。
パーティのリーダーである金色の髪と華美な修飾のある剣がトレードマークのサピエル、彼が警戒を解いたので俺たちも続いて武器をしまう。
被害を確認してみると、なんと俺たちはそれほど大きな被害もなく、Sランクの討伐クエスト『ブリッツワイバーンの討伐』をクリアしてしまった。
コイツを倒した事によるスキルポイントやドロップ品が、みんなのインベントリに収納されていた事を確認する。
更に受注したクエストの紙にも討伐完了のマークが自動的に付いた事を確認すると、俺たちは帰り支度を始めた。
俺たちは
そのまま冒険者ギルドに入り、受付嬢に報告を済ませてクリア報酬を受け取る。
すると、サピエルが久し振りに俺に話し掛けてきた。
「話しがある、付いて来い」
「……あぁ」
俺はどこか人気のないところで話すのかと思って見構えながら付いていく。
だがそんな杞憂もいらないほどの距離……そう、ギルド内に存在するテーブルにサピエルは向かった。
何の話しか分からないがこんなところを選ぶのだから、まぁ何か理由があるのだろう。
「それで話しってなんだ」
「単刀直入に言う。シン、パーティを抜けろ」
別に驚きは無かった。
ただその時が来たのか。俺はそう感じただけだった。
「シンさん、アンタはサポーター。僕らのパーティメンバーじゃないんですよねぇ」
「お前は後ろで隠れて支援スキルばっかで攻撃スキルの一つも使えないとか、一体何の冗談だよ!」
以前から、パーティ内の俺に対する風当たりが強くなってきていたのを感じていた。
このパーティには長く所属していたが、ここに拘っているつもりも無い。
居心地が悪ければ別のところに行くだけ、元来冒険者とはそういう物だと思う。
正直このパーティはむさ苦しい事に男だらけだったし、食事洗濯などの雑用は基本的にサポーターである俺の仕事となっていた。
そんなところにリーダーであるサピエルから、パーティを抜けろとのお達しがきた。
丁度良い、俺は抜けられるなら理由なんてどうでもよかったんだが……こうしてメンバーたちから不満の声を聞かせてくれたのは抜けやすくなる、むしろありがたいくらいだ。
「俺たちにサポーターはいらない、今日のクエストもそうだ。Sランクのクエストを被害も無しにクリア出来た俺たちならサポーターを養うマニーで戦力を増やして更に危険度の高いクエストを受ける事だって出来るようになる」
黙っていた俺を抜けたくないと判断したのだろうか、サピエルが更に追撃をしてくる。
俺の心はもう決まっている。これ以上ここで話しをする理由も無いのですぐに声を返す。
「分かった、今まで世話になった」
「まーったくですよ!」
「じゃあ達者でな」
「明日中に支度を済ませてくれ」
メンバーは、いや、『元』メンバーは各々好き勝手な事を言いながら立ち上がり、そのままギルドから出て行った。
俺もパーティ情報を開いて脱退をすると、続くようにギルドから出ていく。
今日はいつも贔屓にしている店で飯でも食べるとしよう。
そう思って道を歩いていると、すぐ後ろから声を掛けられる。
「あの!シンさんですよね!私の話しを聞いて貰えませんか?」
俺が振り向くと、そこには金髪碧眼の耳が少し尖った美少女、つまりエルフの女の子がいた。
緑色がベースの色調で生地も良さそうなワンピースを着ているが、弓を背中に装備している。
他にもいくつか高価そうな物が見えるが武器を持っている以上冒険者……だと思う。
「あぁ、俺がシンだ。何か用か?」
「あの、ギルドでの話しを聞いてしまって……その、私たちのパーティに入って貰えませんか?」
「俺が?君たちのパーティに入るのか?」
「はい!よろしくお願いします!」
一応オウム返しで聞き返したが、元気に頭を下げられてしまった。
「あー……とりあえず何か事情でもあるんだろうし、飯食べながらでもいいか?クエスト帰りで腹が空いてるんだ」
「あ、すいません!私はそれで大丈夫です、どちらに向かうんですか?」
「俺の贔屓にしているところだ、<
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