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日竜生千

私信

①内的

耐えるんだ。

まだ耐える時です。(おそらく)

今は薄氷を踏んでいます。

よく見るとそれは一本のロープで、高い空中にいるのだと気がつく。薄氷を割らずに向こう側へ渡り切るための注意が必要な場所にいて、少し踏み外せば構成する世界自体が瓦解してしまう。

積み上げてきたものが無に帰ってしまう。

今はそんな場所にいることでしょう。

この状態を維持することは難しく、焦ることもできず、急ぐこともできない。

やがて注意力は欠けてしまうこともあるでしょうが、まだあなたはきっと耐えている。

積む石を選んで塔を作り上げようとしている。

そうしている限り我慢はまだ続けられそうです。

考えること、感じること、心を開いてその場の声を自分の内からの声とするなら、まだロープの上にいて向こう岸に渡っている最中だとわかるはず。


まだ耐える。でも。止まったような時の中であなたの物語は成長していく。






エランダーズの第四話(エ)で詰まって、停滞している時に書いた言葉。

先に進めず同じ所で考えているうちに、分析が広範になって元の場所に戻って来れなくなる──スランプに陥るので、高い緊張感を保ったまま同じ所で考え続けるしんどさに理解を示そうとしてます。



言うと減るタイプなのでこれも説明するのはどうか思うけれど。

自身へのネグレクトさに気付いてから、衝動的に一人の個人として意識するように、自分に宛てた言葉をしたため始めました。


長年メンタルケアを行なって来なかったので、限界が来たのかもしれません、年齢による不安など中途半端な息のしづらさの重なりを、放置できないと手遅れになる前に気付けていたらいいなと思います。


他人と言うには内面を知り過ぎている相手への言葉は、兄弟のようでもあり、子供のようでもあり、親友のような一番親身になれる相手に向けた手紙になりました。


精神の奥の方でいつも昏睡状態の自身への優しさは、自分に向ける時だけは目を覚ますこともあるので、執筆に関して言葉を募ってみました。


普段はそうした肉声を言語化できるタイプではなく、それゆえ物語に託して話を書いている人間です。


執筆に限らず、自分をこのようなぎりぎりの状況に置いたり、置かれたりしている人は私だけではないように思います。

そうしたことへの励ましになっていると思い、ここに転記します。


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