早く散れ花火

駆け登った展望台、開催されないお祭り、一人手持ち花火でお祀り、精霊馬。浴衣も、簪も、下駄も、かび臭いクローゼットに押し込んで所在なげ。『また来年』『いつの日かきっと』希望より諦念で首を傾げた君の顔。

早く散れ、花火。いっそ来ないで、夏。

儚いまま胸にしまった、花火。

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