春の最果て

 セミが鳴くまでは春です。君が泣いたら、季節はどこにいくんだろう。濡れ髪から突然シャンプーの匂いがする季節は何だろうか。

 車を走らせると、命の爆ぜる音がする。小さな水風船が弾けるようにカエルが死んでいくこの町を、嫌いになってしまう。夏を嫌いたくないから、ここはまだ春です。

 最果てから会いに行くよ。血や汗に汚れていても。

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