患者とカウンセラーの禁断の恋
想夢みさ
第1話 暗闇の中の人生
ずっと欲しかった人。それは、ずっと味方でいてくれる人。
どんな時も私の味方でいてくれて、守ってくれる。
時々不機嫌になっても、泣いても、太陽のように温かくずっと見ていてくれる。
普段は何も口にしないのに、燦々と降り注いで私を照らしてくれる太陽の光みたいに。
私のバックにいる大きな存在。そういうような存在が欲しかった。
欲しかった人、探していた人、でもずっと見つからなかった。
小さい頃からいじめられっ子だった私。
小中高と学校に行きたくなくて、不登校になった。
友人はいなくて、お弁当も給食もいつも一人で食べる。
毎日が何のために過ぎていき、楽しみとは何なのかも分からなかった。
大学に入れば、そういう生活から逃れられると思ってた。
でも現実は違った。
友人がいても、形だけで、馴染めていないのだ。
友人から遊ぶのを誘われたこともない。ただ、クラスにいれば話すだけの形だけの関係。ひとりぼっち。それはずっと続いていた。
それから大学を卒業し数年後、私は双極性障害と診断された。
心の病気だ。
頭の中が騒がしいことには気づいていた。気分の波がとてもきついことにも。
制御してくれる友人などの人がいない。だからこそ、自分自身の頭の中で、自分の心が騒がしくなる。
そうやってまた一人になった。誰も私の症状は知らない。誰にも病気のことは話していない。期待しても、いいようには行かない。
でもたった一つ、いいことが起きた。
病気になったことでいいことが起きた。
それは、ある先生と出会えたこと。人との関係が断ち切れてしまった私に、温もりをもった人との関係を築くチャンスが訪れたんだ。
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