一絃の琴

 今朝も「こころ旅」を見ていました。1週目のピンチヒッターは柄本明さん、2週目は田中要次さんです。3週目は誰なんだろうな。


 火曜日から金曜日は実際に走ってお手紙の見てきてほしいという場所まで行くんですが、月曜日にはそれに選ばれなかった方数名のこころの場所をダイジェストのように紹介する形です。その一通に「兄に乗せてもらっていた自転車から落ちて大きなコブができた」というのがあり、それを聞いて、ふと、思い出してしまった小説がありました。


「一絃の琴」


 宮尾登美子さんの長編時代小説です。中学生の頃読んで、内容は少ししか覚えていないんですが、このタイトルになっている「一絃の琴」が別名「須磨琴」と呼ばれ、うちの中学では部活動もあるほどでした。調べてみたら、私がちょこちょことここに登場させる「須磨寺」が保存会を作って保存継承に力を注ぎ、「須磨琴」は商標登録をしてあり、須磨寺だけが使える名称らしいです。知らなかった!

 文字通り弦が一本だけの琴で、細長い板の上にピンと弦が張ってあり、ちくわを斜めに切ったようなものを指にはめて引いてました。私も触らせてもらったことがあるんですが、今思えば習っておけばよかったなあとも思います。貴重ですよね、こういうの。


 と、その小説がなんでコブなのかに戻ります。あまりよく覚えてないんですが、主人公が多分一人じゃなくて、そのうちの一人、賢くて気丈な女の子がいました。その子は当時は「鳥目」と言って、だんだんと視力が弱くなり、将来的には盲目になるという病気でした。大きな家の娘なんですが、確か腹違いの弟が生まれ、その子が家の跡継ぎになるはずが、ある日庭で転んでコブができて、それが元で亡くなってしまいます。そしてその女の子が跡継ぎになるんだったと思います。他はあまりよく覚えてないんですが、なぜだかそのシーンがえらく記憶に残っていて、頭のコブと聞くとそれを思い出し、流れるように一弦琴まで思い出すという感じになるんです。


 どういう話だったか調べてみたんですが、小説がドラマになったとかで、そのドラマになった部分らしきところのストーリーしか出てなくて、それが覚えてるのと全然違うんですよね。目の見えなくなる女の子のことは全く出てこない。


「うーん、もしかして他の話と混同してるのか?」


 もしかしたら宮尾登美子さんの他の小説と間違えて覚えてるのかも知れません。すごく気になるけど本も手元にないし、ネットで調べても出てこないし。


 目が不自由な琴の演奏者というと「春琴抄」が浮かびますが、こちらはよくストーリーを覚えているので間違えているということはありません。


 どなたか「一絃の琴」のそういう登場人物に心当たりがないでしょうか? 間違えてるのかなあ、ずっとそうだと思ってたんだけど。

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