キラキラネーム今昔

 また病院での話題になりますが、直接病院とは関係ない話題と言っていいかなと思います。


 私が通っている病院では、液晶にそれぞれの診察室の進捗状況が映されます。それを見て「次だな」とか「まだ番号出てないな」と判断できるので便利です。順番が来た時に大きな音で「ぴろろろろろ~ん」と鳴るので、その度に待ってる人がみんな顔を上げるのもちょっと面白い。


 その液晶を見ていて、ふと、気がついたことがありました。


「担当の先生にキラキラネームがある」


 それほど激しくはないんですが、そういう名前がちょこちょことあるんですよ。


 少し前に、何かで最近はこういう名前が減っているという記事を読みました。一時期は本当にすごかったですよね。保育園や幼稚園では読めない名前に保育士さんや先生が困っていると。

 あまりにひどくなったからか、本年度から適応された「改正戸籍法」によってある程度「待った!」がかけられる状態になりました。


 いつからか「空」を「アクア」とか「ア」と読むのが普通っぽくなってるの、なんでやねんと思ってました。そりゃ日本の漢字って「なんでそう読むの」ってのありますよ。でもそれって、長年の間に固定してきたから慣習的に普通に読めるようになってるので、今さらどうにもならないし、もう認知されてるので「こういうもの」ってなってるものです。


「私がこの字はこう読ませたいからうちの子の名前はこう」


 ってのをゴリ押しはやっぱりちょっと違うと思います。「空」を「ア」も長年の間に固定したら、それはそれでありかも知れないけど、やっぱり今は正直違和感があります。


「うちの子だけのオリジナリティある素敵な名前を!」


 その想いが行き過ぎて「どないやねん」という名前になり、その名前の子が裁判所とかに「名前を変えたい」と申し出て改名を認められるという事態にまでなってます。そこまでいってある程度落ち着いたというか、もしかしたら飽きたのかな、そういうのに。まあいいんじゃないでしょうか。


 それで保育園や幼稚園、病院なんかで、


「うちの子の名前読み間違えないで!」


 と、かなり無茶苦茶な要求をされることは少なくなったらしいんですが、そのピークの世代の人たちが、ちょうど今は保育士さんなどの社会に出て働く年齢になっているんだそうです。


「なるほど、それで先生の名前にそういうのが増えてるんだな」


 それを目の当たりにしてしまったような感じです。


 幸いにして「どう読むんだ?」レベルのお名前ばかりだったので、ご本人も改名するほどには思わなかったか、ご両親の想いを受け入れて自慢のお名前なのでしょう。


「名前それは燃える命 ひとつの地球にひとりずつひとつ」


 という歌の歌詞もあります。誰もが胸を張って大好きだと言える名前だといいなと思います。

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