後遺症の人?

 さて、前回に引き続き病院の話が続きます。


 受付に受付票を出したら、処理が終わって呼んでもらうまで、受付の前で待つことになります。今日は人が多かったのか、そこでも少し待ちました。


 受付の反対側、廊下に並んでいる椅子に座って待つことにしました。4つ椅子が並んでいて、その一番右端に座っていて、横の3つは私が座った段階では無人でした。

 

 しばらくすると、4つの椅子の反対側に誰かが座る気配がしました。特にどんな人かなと思って見なかったので、どんな人が座ったか分からないまま、私もさらに座って待ってます。


 しばらくすると、ファイルを持った事務の方か看護師さんか、どちらかの方がやってきて、私の隣の席は空いてるのに、そこには座らず、しゃがんで座っている方と話を始めたんです。

 私の場合はいつも行ってるし、できたらファイルを受け取って診察室のある中待合に移動するんですが、初めての人とか話を聞く必要がある人の場合、そういうことをしているのを見ることがあります。


 すぐ隣りで話を始めたので、聞こうと思わなくても話が聞こえてきて、どうやらご夫婦で来ていて、ご主人の方が具合が悪いんだなと思いました。

 

「とにかくだるくて、しんどくて、何もできない」


 みたいなことをおっしゃってて、大変だなと思ってたんですが、その症状がもうかなり長く続いてて、あっちこっちの病院に行っても原因が分からないということらしい。


「◯◯病院では気のせいって言われて、✕✕病院では肝臓に問題がないと言われて、△△病院では」


 と、どうやらあっちこっち行ってはっきりしないのでここに来たらしい。そういう病院なんですよ、ここは本来。私も最初はそんな感じで通い始めて、そのまま通院し続けてますが。


 そうしたら、続きにこんな言葉が。


「後遺症じゃないかという話で」


 なるほど、それでここを紹介されたということなのか。2年ほど前に例の流行り病にかかって、その後からその症状が出たことから、その疑いがあるとなったらしい。


 うーん、2年もかかってやっとそういうことになったのか。


「熱や咳はないけど、だるくて食欲もなくて、今朝も栄養のあるバーを三分の一ぐらい食べただけ」


 それはつらいなあ。


 案内されて私の横の席から立ち上がり、診察室のある方に歩いていらっしゃる姿を見たら、少なくとも70代にはなっていらっしゃる御夫婦でした。


 色々と後遺症の話は聞きますが、私の知ってる限りの人でそんなにひどい後遺症に悩まされた人はなかったもので、本当にあるんだなと思うと同時に、


「やっぱり怖い病気だ」


 と、あらためて思いました。


 いい治療をしてもらって楽になってくれたらいいなあ。

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