2024年  6月

70歳以下の方に

 今日から6月ですね。気候も良くて実家で仕事しながらうとうと居眠りしています。


 いつもだったらテレビでもかけてと思うんですが、交流戦だとかなんだとかで、野球かなんだか分からないバラエティしかやってないテレビも消したので、静かで居眠りするぐらいしかやることがない。


 いや、遊んでるわけじゃないですよ、ちゃんとやるだけのことやって、今はちょっと手が空いたってことです、うん。せっかく手が空いたんだから、ちょっとうとうとしようかな。


 と、眠りを覚ます電話がかかってきた。携帯じゃない家の電話にかかってくるのは、仕事か、セールスか、アンケートです。セールスが一番多いかな。


 出たらまず、


「とととっ」


 と、どこの携帯かを知らせる音がした。これが鳴るのはほセールス。さて、今日は一体なんじゃろか。


「失礼いたします、こちらは◯◯◯と申しまして、関西電力の電気代が下がるサービスのことでうんちゃらかんちゃら」


 と、若いにーちゃんの声で始まった。


 先日の、


「1800万円、タンスの奥にでもないですか」


 の電話の時にも、ちょうど今のようにだるくて眠くて手が空いてる時間だったんですが、なんというか勢いがあったので面白くて聞かされてしまいました。でもなんだか今日の人は勢いもないし、口調も面白くなさそうだ。


 それでも一応、なんて言うかなと聞いてたら、


「これは70歳以下の方に適応になりまして、70歳以下でいらっしゃいますよね」


 ときたもんで、


「結構です」


 と、速攻お断りを入れました。やっぱり面白くなりそうもない。


 すると、こちらがお断りしてるのに、今度はこう続きました。


「あの、70歳以下の方が一緒にお住まいでしたら、どうたらこうたら」


 結構ですと言ってるのに、このにーちゃんわしの言うことを聞いておらんのか。


「結構です」


 もう一回そう言ったんですが、まだなんか言い続けようとしたので切りました。


 つくづく、この間のマンションの人は面白かったなあ。それに声聞いて70歳以下ですよねと確認しながら、もう一度70歳以下の人と一緒に住んでますかって、どういうサービスか知らんけど、とりあえずこっちの言うことを聞くか、何回も例に出して申し訳ないが、あのマンションの人みたいにこちらに口を挟ませないぐらいの勢いで来ようぜ。


 ひたすらのんびり眠い土曜日の午後の一時の安らぎを邪魔されて、ちょっとご機嫌ななめです。


 どうせなら、もっと面白いセールス電話、かかってこんかーい!

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